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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
東方交易録
227/320

ブヒィ様

 東方の西国からやって来たお姫様と会う事になった。


 唐突な展開ではあるが、相手はグランフィストでもそこそこの地位を持つ俺に興味を持ったとかで「会いたい」と我儘を仰ったようなのだ。

 別に会うぐらいは構わないので、領主の所に行くことになった。


 なお、商人代表である兵衛の爺さんはすでに王都に向けて旅立っているため、グランフィストにいるのはお姫様とその取り巻きだけである。

 姫さんは王都に行かなくてもいいのかと疑問に思ったが、そこは彼らにも事情があるのだろう。深い事情など俺が妄想してもいい事は無いだろうから、出たところ勝負で気にしないことにした。

 姫様の情報なんて何一つ持っていないからな。まずは先入観を捨てる方がいいと思ったのだ。





 領主の館には、東方からの客人を迎え入れる為の部屋もある。

 具体的には和室が存在し、畳の部屋が用意されているのだ。

 兵衛の爺さんとあった時は相手が俺に敬意を示すために普通の部屋を使ったが、今回は明らかに目上の貴人が相手なので、相手に合わせる形で和室へと通された。



「はじめまして、異世界のお客人。

 妾は西国が六道、参階位弥勒(みろく)が四の末姫、芙蓉(ふよう)と申す。

 以後、良しなに」


 通された部屋には、巫女服っぽいモノの上に綺麗な衣を羽織った子豚さん(・・・・)がいた。

 ぶっちゃけ、お(ひぃ)様ならぬブ(ヒィ)様であった。


 年齢は14かそこらと聞いていたが、座っていて正確には断言できないけど140㎝程度の身長に70㎏ぐらいの重みを感じた。適正体重の7割増しといったところである。身長140㎝なら適正体重は40㎏だよな、普通は。



「冒険者ギルドのギルドマスター、“日本人”のレッド=スミスです。こちらこそ、よろしく」


 相手の姿に驚きはしたが、俺も無難に挨拶をする。


 俺は無手だが、相手は貴人と言う事で護衛が2名。

 俺は武器戦闘よりも召喚魔法の方が主戦力なので、武器とか関係なく2名ぐらいなら余裕で護衛をぶちのめせる。もう少し警戒心を持ってほしいと思ったが、過剰な戦力を揃えての会談は俺に対して失礼と思ったのかな?



 肥満の姫様を見て、ふと思い出したことがある。

 食べる物に困っていた昔は、太っている事が富貴の証明と言う話があった事を。


 肥満からくる成人病関連についての知識が無い世界であれば、こういったネタもあるのだろう。この世界がいくら異世界とは言え、糖尿病や成人病と無縁とは思えない。

 これは忠告しておいた方がいいだろう。


 彼らの美的感感覚では美しい姫でも、こちら、グランフィストでは通用しない美であることも含めて言っておいた方が互いの為になる。



 俺との会話を楽しみにしているのか、にこにこと笑う姫に対し、俺は決意を固めるのだった。

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