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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
東方交易録
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ヤマト村・情報収集

 ちょっと前までの俺ならジャニスに相談も考えただろうけど、今の俺に、ジャニスを信用する気持ちが無い。

 戦争の時に思ったのだが、やっぱり彼も国の為に俺を使い捨てる気があるようだし、俺の方に国に尽くそうという気が無い以上はどこかで決別する可能性を忘れずにいるべきだな。


 だから今回は領主と話すのは無しだな。

 密航してもらうかどうかについては、ヤマト村に繋ぎを付けてから決めればいいだろう。

 俺の事を敵視している連中もいるが、前回話を振ってから一月以上の時間が経った。全員が全員、俺を憎み続けている可能性は低いと思う。怒りも憎しみも、時間が経てばある程度緩和されるかより深まっていくものだが、その方向性が集団で一致するというのはあまりない話だから。一人か二人ぐらいでもいいからこの世界の日本的立ち位置の国に移住したいと思ってくれる奴を見つければ、任務達成だ。



 ただ問題は、ヤマト村の連中とどうやって話し合うか、だな。


 俺がヤマト村の連中と接触する理由は……東方の商人が持ち込む日本食材は連中も購入するだろうし、食材取引をメインにすると破綻しそうだ。

 武器関連、刀鍛冶の話を連中に依頼してみるというのが良いか。俺以上に刀鍛冶に詳しい奴もいるだろうし、弾蔵を連れて行きそちらに興味がある奴を上手く唆して引き込むのが良い手かな? 上手くいけばいろんな話が一気に解決しそうだ。



 まずはヤマト村の連中に正面から会いに行ってみるか。

 敵地になるかもしれないけど、だからこそ現場をしっかり自分の目で見ておきたいって言う理由もあるし。





 久しぶりのヤマト村は、やっぱり居心地が悪かった。


 前回と違い、全員が俺に敵意を持っている事はなかった。

 これは俺の予想通りである。


 しかし、外れていてほしかった予測、俺への憎しみをより深くした連中も多くいたのだ。

 比率で考えると、5割ぐらいは俺の事を敵視しているが、3割ぐらいが無関心にまで戻っていて、2割が何か訴えかけるようなよく分からない視線を向けている。



 半数が俺への敵意を深めている。それが多いか少ないか、それは俺にも分からないが。没交渉にならずに済むのなら問題ないだろう。

 大事なのは移民の切り出し方や秘密を守ってもらえるかどうかであり、そのためにどうやって交渉不可能な連中を密談の間だけでいいから切り離すかである。

 できれば移民したい数人を探し出し、上手くいくかどうかを判断したいところだが。



 欲を言えば、水の都や、火の都のさらに南に逃げた連中と接触したいんだよな。

 あっちの連中ならこっそりと紛れ込んでも何とかなるだろうし。





 悩んでいてもしょうがない。

 この村の中には文化交流用の飯処が複数あるから、そこで人の噂話でも仕入れるか。

 発想が貧困かもしれないが、酒場や飯屋で情報収集ってのは基本だし。


 酒を飲んでいる奴がいてくれるといいんだけどね、さすがにそれは期待し過ぎか。

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