休日②
鬱展開です。
この後は胸糞展開になります。
ざまぁ成分が無いわけではありませんが、鬱展開や胸糞展開が嫌いな方は次の章まで読まない事をお勧めします。
俺はメイドトリオのバイト先から帰ると、軽く運動をしてから昼寝をした。。
俺の身体は10歳相当だと思うので、まだ成長期前だ。少しでも身長を伸ばしたいので、日本にいた時に聞いた成長補助法を試しているのだ。効果がどこまであるかは知らないけど、やらないよりはいいと思う。
休みの日だけではあるが、一応はこれを習慣にしている。
普段ならすぐに寝付くのだが、この日はなかなか眠れず、1時間はベッドの中でじっとしていたと思う。
目が覚めると、夕暮れ時にはなっていないが、そこそこ遅い時間だった。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。今は何時ぐらいだ?」
「4時過ぎです、マスター」
部屋は一つのため、体を起こしあたりを見れば、当たり前のように桜花がいた。
いや、桜花しかいないというべきか。
「3人は?」
「まだ帰ってきておりません」
3人のバイトはランチタイム限定のため、3時ぐらいまでである。普段であればもう帰ってきてもおかしくない時間であった。
「迎えに行く。出かけるぞ」
「はい、マスター」
俺は外用の服に着替えると、早足で外に出た。
俺の中にあった嫌な予感は、心臓の鼓動は、うるさいぐらい耳の奥で響いていた。
宿を出てすぐ。
5分も歩かない場所に人だかりができていた。
俺は何かに呼ばれるように、人混みを掻き分けて騒ぎの中心へと向かう。
街の警備を担当する衛兵が何かをやっている。
周囲で誰かが何を言っている気がするが、何を言っているのか分からない。
鉄錆の、血の臭いがした。
赤い何か、いや、流れて零れた血が、地面に広がっている。
ケミストリーさんが、あった。首だけになっていた。衛兵が回収しているのは、ケミストリーさんの胴体だった。
3人の、姿が、そこにあった。
さっきまで、バイトしていたはずの、3人が、体を壊されて倒れていた。胴体部分を執拗に砕かれたのか、腹部が見当たらず、胸と腰はあるのに、その間が無かった。
魔法人形・メイドサーヴァント。その機械部分が見えていた。
「え?」
友人のように思っていた人が殺されていた。
2ヶ月と短い間だったけど、共に過ごした仲間が壊されていた。
叫ぶ声も、悲しみの涙も、理不尽に奪われた怒りの叫びも出てこない。
俺は現実を受け入れられず、そのまま気を失った。