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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
東方交易録
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冒険者ランキング

 ダンジョンでの戦闘は高レベルになればなるほど、連戦がし難くなる。


 低レベルの時はお互いに殴り合うだけ、武器の損耗はあるしゲームと違ってスタミナ消費もあるので一概には言えないが、リソースの消費が無い戦いなのだ。

 それが高レベルになると、スキルの駆け引きといった要素が産まれる。そしてスキルには魔法同様MP消費があり、中には一シナリオ一回(この場合は一回のダンジョン攻略)とか一日一回とかクールタイムまで存在するので、連続使用できない事も多い。

 MPは一晩でフル回復するわけでもないから、日ごとに消耗するのを考えると、二日程度の滞在で撤退するのがベストだと思う。


 よって、戦闘は一日に二回か三回が上限になってしまう。

 それ以上はMPなどの問題でスキルが使えなくなるのだ。少なくともスキル無しで勝てるのは格下までだ。相手がバンバンスキルを使ってくるのにこちらだけ使えないとか、縛りプレイにもほどがある。

 しかも、それでいて経験値効率は変わらないのだからやる意味が無い。


 少ない時間で経験値を稼ごうと思うと、質の良い戦いをする必要があるのも戦闘回数が少なくなる。

 馬鹿みたいに前線に突っ込んで行けばいいというものでも無いのだ。



 


 そうやって三日で経験値を2か3ほど稼いでいけば、月にレベルが2も上がる計算になる。

 だけどそれ以外のお仕事も入るから、ダンジョンばかりにかまけてはいられない。残念ながらレベルを上げるだけでダンジョンを攻略できるほど強くなる訳では無いのだ。

 装備の強化も必要だし、ダンジョンでは鍛えられない対人戦も経験しておく必要がある。


 「レベルを上げて物理で殴れ」はゲームだからこそ通用するセオリーなのだ。



「では……いきます!」

「かかってこいやぁ!!」


 対人戦は個人戦と集団戦、あとはシチュエーション戦の3種類を行っている。


 個人戦は1対1の、基本となる技術を磨く為のもの。どちらかというと対人戦という状況を使って自分の技術を見直すためにやっているように思う。


 集団戦はそこそこ実戦に即した戦闘で、そもそも1対1などといった特殊な(・・・)状況でなければ、こちらの方が戦闘経験値を稼げると思う。

 少なくとも、単独行動をしない俺にしてみればみんなとの連携を鍛える方が理に適っている。ちなみに対戦相手の数はランダムである。同数同士の戦いも、やっぱり実戦的ではないので。


 シチュエーション戦は、完全に実戦訓練である。

 街の外、人が来ない森の中での戦いとなる。本当は街中でもやってみたいのだが、さすがにそれは許可が下りない。衛兵たちだって暇ではないので、区画封鎖も難しい。なので、せめて森の中という訳だ。視界が悪い事も手伝って、不意打ちへの警戒なんかにも苦労させられるからね。

 森の中の一定区間を踏破することが目標となり、戦闘での勝利は達成目標には含まれない。戦闘は手段であるというのがその理由だ。

 俺は相手を皆殺しにしたいわけではなく、生き残りたいだけだからそういうやり方で通している。

 なお、手間がかかるので何度も・簡単にできる訳では無い。月に一回が上限だろう。



 手間のかからない個人戦はそこそこの数をこなし、そういった経緯からか、ランキングが作られるようになってきた。

 誰が一番強いのか、というのはわりと話題に出る事なのだ。


 冒険者の中でも召喚士を始めとする「相棒ありき」の連中は判断が難しいが、それ以外の、己が身一つで戦う連中はわりと話題に出てくる。

 俺はティナがいればギルド内でも最上位クラスの戦闘能力を持っているけど、召喚無しだとそこまで強くない。と言うか、レベルのわりにかなり弱い。



 面倒な話ではあるが、俺の実力は仲間やティナが前提になりすぎている。

 他の誰かと組む事を考えたビルドに偏っているのだ。


 似たような連中はそこそこいるので、俺達はこっそりと互いを慰め合い、集団戦で見返してやろうと絆を深めていくのだった。

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