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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ポーション問題
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苦情③

 問題が起きているのは、外だけではない。中もだ。



「マスター。予定よりも消費が多すぎです。そろそろ在庫が無くなります」

「……回数制限を付けても駄目か。まだ甘かったようだな」


 『秘薬丸』を作るのはスキル補正無しでの作業になるので、どうしても失敗回数が増える。

 よって、素材が無駄になる事が多い。


 失敗するのが最後の方の工程であれば無駄になる時間も多くなるが、早い段階で失敗してしまえば短時間の損失で済む。

 そして一番の難所は半分ぐらいの工程だったので、大体の奴がそこで失敗する。つまり普通に成功する奴の倍のペースで素材が消費されるわけだ。


 その結果、起こる事は予想を上回る素材の枯渇である。

 練習回数は個人ごとに制限を付けているのだが、その限界まで挑戦されてしまっている状態ではあまり意味が無い。



「クランごとに買い取らせるか? でもなぁ、それだと腕の差以上に資金力で差が付くし。あまり面白くない」


 素材の買い付けをしているのがギルドのため、クランに関係なく錬金術師たちは『秘薬丸』に挑戦出来ている。

 これがクランごとに素材を管理するとなると、どうしても上位の、稼ぎの良いクランが有利になる。それも弱肉強食と割り切ればいいんだろうけど、出来れば弱小クランの小遣い稼ぎになって欲しいと思っている訳で。救済措置のある今のやり方を崩したくない。


 当たり前だが、俺の方針に対し弱小クランは感謝し、強豪クランは不満を持っている。

 理由が判官贔屓ではなく全体の底上げが目的なので目立つような形で漏らす事はないが、それでも不満に思う事を止められる訳では無い。



 ありがたいのは、その不満をしっかり俺まで届ける事だろうか。


 裏でコソコソされると迷惑だし、対応も出来ない。

 だが、俺の部屋まで来て直接文句を言ってくれるおかげで周囲にはあまり影響が出ないし、俺も頭を下げやすい。

 不満を持ちながらも全体の和まで考えて動いてくれることに関しては、本当に感謝している。


 まぁ、頭を下げるしかできないんだけどな。

 俺の頭では完璧なシステムを作るなんてできないし。誰かにババを引いてもらわないと組織が回らない。



 前世の高額納税者も他より税金を多く持っていかれる事にこんな不満を抱えていたのかなーと、どうでもいい事を考えてみる。


 いや、強い所にババを引かせることはわりと不味いんだけど、前世ではどうやって不満を解消させていたのかよく分からないんだよね。

 俺の前世知識も万能じゃない。


 どこかにいいアイディアが落ちていないかな?

 具体的にはヤマト村辺りに。

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