表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
殲滅戦争
179/320

楽勝ムード①

 王都に向かった俺達だが、そちらでの住居は適当な宿を一つ丸ごと借りる事になった。


 メイドサーヴァントがいると言う事で、彼女らが主となって家事を担当。

 食費を含む経費についてはグランフィストから一定の額が出るが、その他の費用は自分持ち。3人の蘇生費用がそのまま報酬であるという話だ。


「安く済ませた分、貸し借りは考えなくてもいいですよ」


とはジャニスの言だ。


 正直なことを言えばもうちょっと現金報酬が欲しいけど、生活費は出るのだし、自分の分だけでも食費を節約すれば少しは黒字になるので気にしない事にした。





 今回、俺のチームとしてきたのは『北極星』のメンバー全員である。


 俺と桜花、メイドトリオはティナの背に乗って一足先に王都に向かい受け入れ準備を、他のメンバーは全員馬車ならぬゴーレム飛脚に揺られての強行軍となる。

 ゴーレム飛脚はグランフィストと王都の間をノンストップで走るゴーレムたちの事で、通常5日はかかる距離を文字通りの1日で走破する鬼畜便である。

 当たり前だが、ゴーレムの背に乗っての移動は非常に揺れるので気分が悪くなる者が続出している。1日中、寝る時間も揺られるなど悪夢以外の何物でもない。俺が、ティナが頑張ればもう数人は空の旅で楽をできたのだが……俺には彼女たちが何を考えているのかよく分からない。


 案の定、王都に着いた時には、彼女たち全員が空の旅を選ばなかった事を後悔していた。





 王都に着いた俺達だが、全員が揃ったところでさっそくお仕事、出番となる。

 軍の編成から物資の調達まで、独立騒動が起きた時から準備を始めていた事もあり、軍の出立は速やかに行われていた。


 先端は既に開かれており、俺の他にも数名の運び屋が『荷運び』ジョブ持ちを連れて食糧や矢玉などを運んでいるそうだ。当たり前だが補給部隊は複数用意し、いくつか敵にやられてもいいようにしているようだ。

 ちなみに初戦は先制攻撃で敵に大打撃を与えたと、王都の軍は楽勝ムードになっているらしい。酒の減りが早そうな話である。



 俺の出番は本当にあるのか、俺を呼んだ意味がどれほどあるのか疑わしい状態だが、軍の上、お偉いさん方はこちらの消耗を誘うと同時に戦力を把握しようという敵の策ではないかと警戒をしている。

 つまり敵は自分たちの懐深くに誘い込み、補給線を伸ばし切った状態でこちらを食い潰そうとしているのではないかという予測だ。

 この予測は俺もラノベでよく見かける戦術なので理解しやすく、反論しにくい状況にある。俺が知っているのだから他の日本人も知っていて不思議はないし。


 俺は俺の出番がある事に軽く落ち込みつつ、物資運搬要員を借り受けるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ