表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
独立戦争
178/320

竜召喚士の参戦

 つい戦争に参加すると言った事を、俺は後悔している。

 こういった場面では「後悔していない」とうそぶくのが主人公的なんだろうが、俺はそんなガラじゃない。きっちり後悔している。


 ただ、戻ってきてくれた3人を嬉しく思っているのも確かな事だ。

 戦争参加の報酬として、ジャニスは3人を生き返らせてくれた。そして、3人とも俺の所に渡してくれた。


 俺が報酬(3人)を手に逃げ出すと考えなかったのか、そこは疑問に思う。

 もしかしたら、何も考えていないかもしれない。

 しかしこうやって3人を俺に渡したことから、何か逃がさない為の手段があるんじゃないかと邪推してしまう。

 なかなか厭らしい手だと思うが、わりと有効だ。現に、俺は逃げるかどうかを決断できないでいるのだから。





 メイドサーヴァントの3人だが、最低限のレベリングだけをして、基本は内勤にしようと思う。

 俺達には少年漫画でありがちなパワーのインフレが起きているので、戦闘能力(レベル)に大きな差ができてしまったからだ。


 またパワーレベリングと言いたいところだが、戦時中の今、あまり時間をかけていられない。

 クラン『北極星』どころか他の主力までが戦争に参加するため、他にダンジョンでレベリングに付き合ってくれる人もいないからな。レベリングはしばらくの間はお預けだ。



 その最低限のレベリングをした結果、『荷物持ち』だったローズマリーが『倉庫番』になった。もともと彼女を『倉庫番』にするためにレベリングしたとも言う。

 荷の運搬と言う事で、『倉庫番』は何人いてもいい。戦争が終わってもダンジョンに連れて行くことも視野に入れているほど、彼女には期待している。


 マイキャラ、ゲームのプレイヤー的には微妙なんだけど、実際にいてくれるとそのありがたみがよく分かる。それが≪アイテムボックス≫のスキルであった。



 3人をグランフィストに残していくかどうか迷ったけど、3人とも目の届く王都に連れて行くことにした。

 俺の仕事は荷物の運搬で、1日の拘束時間が3時間程度で済むからだ。

 俺の王都にいる時間が長い分だけ、近くの方が安心できる。

 仕事が終われば一緒に居られるからね。グランフィストの治安も最近は低下気味だし、物理的な意味で頼りになるメンバーがいない今はあまり残しておくことにメリットを感じない。


 単純に、一緒に居たいというのもある。

 長い間離れていた分、傍に居てくれないと不安になるんだよな。我ながら情緒不安定だと思う。



 問題は、この不安定な精神状態が戦争によるものでもあるっていうのがね。

 やっぱり逃げたいなぁ。

 報酬に目がくらんだけど、戦争なんて参加したくない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ