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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
ギルド/PK
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『花園』のハーピー(後)

「クルゥゥゥゥ!!」


 よくよく考えると、このメンバーの中でティナだけは実戦を経験していない。

 俺はスライム戦、桜花たちはゴブリンとの戦いを経験しているが、ティナはこれが初陣だ。

 だからだろう。戦闘だと呼び出してみたら、ティナのテンションはかなり高かった。


 臆するよりはいいと、そのまま戦闘に入る。



 今回の主役はティナであり、桜花だ。

 他の4人は補佐であり、支援役(サポーター)でしかない。


 ただ、サポーター無しでは主役の2人でも活躍するのは難しい。数は力なのである。



 まずは全員が一丸となって動き、そのまま敵と接触する。

 バラバラに動くと戦線が広がり、防御担当の俺とフェンネルがカバーしきれなくなるからだ。特にフェンネルは≪カバーリング≫を持っておらず、仲間を守るのが難しい。


 敵にある程度、ローズマリーの投石が届く距離になったら戦闘開始だ。

 ハーピーもこちらに向かって飛んでくるが、初手の遠距離攻撃有利はこの戦場でも有効だった。相手の向かってくる勢いも有効に働き、全員で投げた石の一つがハーピーの目に当たり、地上に叩き落した。


 2投目を投げる間にティナが飛び立ち、相手を牽制する。

 そして勢いを殺された敵めがけて、石4つと桜花の魔法がお出迎えをする。

 ハーピーの地上のモンスターと比べHPが低めに設定されているので、魔法を喰らったハーピーが脱落した。頭から落ち、首の骨が折れたのかそのまま動かなくなる。


 そして3投目、といきたいのだが、ここで俺とフェンネルは防御に集中。ローズマリーとキャラウェイも石を手にしているが、相手が頭上の為、投げつける事が出来ずに様子を見守る。

 桜花だけが魔法の狙いをつけ、ハーピーを撃ち殺そうとしている。



 空中を窺えば、ティナが縦横無尽に空を舞い、ハーピー5体を翻弄していた。

 ティナのスキル≪竜翼≫は飛翔適性を与えるスキルで、アクティブこそないが、同じく空中戦の能力が高いはずのハーピーよりも格上の戦闘能力をティナに与えていた。そしてそれに加え≪スピードアップ≫の補助効果もあり、1対5という数をものともしない戦いを繰り広げる。

 ティナの体当たりでハーピーはよろめき、高度を落としては何とか体勢を整え空に舞い戻るが、ジリ貧になっているのは誰の目にも明らかだ。


 空中のティナに加え、ハーピーは地上からの投石や魔法を警戒しなければいけない。逆にティナは目の前に集中していればいい。

 動きに精彩を欠くハーピーと、気合十分のティナ。


 こうなると桜花の魔法すら必要ない。空に意識を割いてはいるが、あとはティナの体当たりを喰らって落ちてくるハーピーにトドメを刺すだけの簡単なお仕事だった。



 戦闘時間はたったの5分。

 それですべてが終わっていた。

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