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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
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153/320

嫁試験

 たぶん、ジャニスさんは馬鹿なんだと思う。

 秘密裡に話を進めるのはいいんだけど、この場合、秘密にするのは女性陣だと思う訳だ。

 それが女性陣には競争させた挙句、俺に秘密にしてもいい事は無い。

 だから馬鹿なんじゃないかと思う訳だ。



 クランにいる新人12人。

 彼女らの誰を選んでも角が立つ。それ以外を選んでも角が立つ。

 付け加えるなら、全員を選ぶことはできない。愛人11人とか、罰ゲーム以外の何物でもない。


 状況は完全に、詰んでいる。

 この状況をどうにかするには、誰か1人を選び、残り11人とさよならするぐらいしか思いつかない。


 そしてそれをする気は、俺には無い。

 やっぱり状況は詰んでいるのだ。





 元凶のジャニスさんには後で禿げてもらうぐらいストレスをかけてやろうとは思うが、こうなると平木直栄が必要になる。

 全てを上手く収める事ができないけど、被害を最小限にするために努力しよう。


 幸い、俺は新人の誰にも恋心を抱いていない。外見の好みも特に気にならない。問題のある容姿の女性は混じっていなかった。

 多少の自助努力を演じさせ、テストや試験といった形で嫁を決めてしまおうという訳だ。



 そんな俺の自棄を形にした、第一回にして最終回の「嫁選抜試験」をする事にした。

 一ヶ月間の猶予は全てこれの構想につぎ込んだ。


 ここで「みんな、結婚を、したいかーー!!」などと叫べば「アメリカ横断ウルトラクイ○」になってしまうので、叫ぶことは自重する。自重できていない気もするけど。



 知識、身体能力、料理、その他家事全般を100点満点で評価して、その合計点で結果を出す。

 数値化した結果はこれまでの自分の努力なら、将来的な揉め事も少ないと思う。


 それでも感情で納得できないなら、追い出すしかない。



 こんな結論を出すだけでも相当苦労したんだ。

 上手くいくといいなぁ。

 そしてジャニスさんは絶対(しめ)る。そこに慈悲は無い。





 人に相談して競争内容を決めたので、わりと酷い試験になった気もする。



 テストは簡単な計算問題と、冒険者をやるのに必要そうなモンスター知識。これは良かった。

 身体能力はステータス差が出そうな気もしたけど、障害物競走と重量物持ち上げだけにして、直接対決はさせない。まぁ、これもいいだろう。


 生産ジョブ能力は料理と被るため『料理人』が有利過ぎるけど、そこは諦めてもらう。他にやりようが無い。生産ジョブを評価しないと不利になる子がいたけど、料理の試験は外したくなかったのだ。

 その他家事全般は掃除と洗濯の手際を「代理人ありで」見る事にした。半分は実家の経済力と伝手の広さを見る試験になってしまったが、これもしょうがない。この世界は家の影響が強いので、実家の能力も判断材料にするのが普通なのだから問題ないらしいのだ。



 うしろ3つは俺から見て、問題だらけで公平感があまりない。しかし受験者が納得しているのであまり強く指摘する事も出来ない。

 こういった時、異世界人は常識が足りないので苦労するんだろうな。


 何と言うか、こんな方法で嫁を決めるとか、馬鹿みたいに思ってしまうが。

 俺の方も覚悟を決めないと駄目だよなぁ。

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