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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
冒険者レッド=スミス
134/320

あの日から続いている

 結局、冒険者として生きている俺。

 辞めたいなと、そんなことを言いつづけながら生きている。

 命のリスクが高いし、さっさと止めた方が賢いと思うけど、それでも続けちゃうわけだ。周囲に流されているとも言う。


 よくよく考えると、日本にいた時も似たような状況だった。会社を辞めたいと言いつつ、それでも決断できない俺。

 向こうは仕事を止めたら生きていけないっていう事情もあるから完全に同じ状況とは言い難いけど、仕事はなかなか辞められない。

 これ、日本人特有の気質なのかな? 転石苔むさず、ってね。



 そう考える事にして、俺は冒険者を続ける。

 笑えるぐらいに俺は日本人なんだと、そう思ったから。


 殺し殺されなんて日本人のやることじゃねーよ。

 そう思わなくも無いが、惰性の如く職場を変えないのも日本人って事で自分を納得させる。

 過労死の危険がある程にキツイ職場を止めない奴だっていたんだ、週休2日以上が保証されている今の職場を変える理由にはならないよな。一応は死なないようにと考えながらダンジョンに行く訳だし。


 それに、冒険者をやっているのが楽しいって思う時もある。特にレベルアップの時とか。それに遣り甲斐だってあるし。

 キツいだけの職場じゃないと思えば、冒険者を長く続けることもできるだろう。



 これが俺の結論だ。

 年をとって体が動かなくなったらその時はその時かな。





「マスター、お久しぶりです!」

「ギルドマスター、本日から、よろしくお願いします」

「「お願いします!」」


 パワーレベリングが終わり、桜花や新人が合流した。

 桜花は俺と同じレベル14に、新人はレベル10になっている。パーティ合計でレベル71なら3層を進むのにちょうどいいぐらいのレベル帯だ。ティナの事を考えるとやや低めだけど、そこは俺がフォローすればいい。それこそパーティリーダーの腕の見せ所だ。

 イーリスやミレニア、それにゴラオン達とは競争だな。勝つ気は全く無いけど。


 あと半年もあればこのメンバーで3層クリアもできるだろうし、それぐらいのつもりで着実に進もう。

 ジョン達からはもっと早くと尻を叩かれるだろうけど、無理をする気は無い。


 あ、言われていたメインパーティでの4層到達だけは先にやっておくか? それは後で、みんなと考えよう。



 きっと気が急いているのだろう。グダグダ考えながら歩いていると俺より先にダンジョン入口に立ち、俺を待つ新人たちがいる。

 その様子に苦笑しながら、俺はちょっとだけ早く歩を勧める。


 さぁ、今日もダンジョンに行くとしますかね。

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