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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
冒険者レッド=スミス
125/320

新人参入

 俺はダンジョンで新人の教育と言うか実地研修を行っているが、新人たちの俺を見る目が怖い。例えるなら、肉食獣のそれに近い。

 俺の肉体年齢は11歳のため、はっきり言って一般的な16歳以上の娘さんの性的嗜好から大きく外れていると思う。ごく一部の危険思想の持ち主であれば話は別だが、全員が全員、俺の事を獲物として見ている。これは普通ならありえない事だ。


 ここに居る新人はジャニスさんやジョンが集めた「身元のしっかりした冒険者」だけである。

 考えられるのは彼女が貴族階級の娘さんらで、俺の事を優良物件として婿に欲しいと考えている、家から取り込むように言い含められているなどのパターンだ。たとえ貴族家の長女だろうと、女性の扱いが悪いのはそこまで珍しい話ではないと思う。この世界は魔法という力があるから男尊女卑の気風が低いけど、それでも男性優位の社会だと思うし。この前提を変えるには、地球の人間と生物学的に何らかの差異が無いと無理だと思う。


 グランフィストにとって信用できる人間を中心に集めた結果か、それともただの偶然か。

 今の所、俺には性欲が無いし、変な女性と付き合うとジャニスさんらに迷惑をかけるかもしれない。鉄の意志で彼女らの誘惑を跳ね除けるようにしよう。





 ローテーションを組んで仲間と新人たちとで交流を深めてもらったり、ダンジョンに潜ったりしてもらっている。


 ミレニアは前衛4人と後衛の魔術師をパーティに加え、イーリスとララは前衛・後衛半々でパーティを組んだ。

 結果として俺の所には前衛2人、後衛1人が仲間として加わる事が決定した。

 細かいことを言えば前衛ジョブと後衛ジョブの組み合わせの者もいたが、基本的に求められる役割としてはそんなところだ。



「「「よろしくお願いします!」」」


 俺の所に来たのは残り物トリオになるのだが、パーティバランスはかなり良くなった。


 まず、前衛2人。

 『戦士』『騎士』の鉄板と言われるほど堅実な組み合わせのティティ。生産ジョブは『鍛冶師』と何かと都合が良い。

 『格闘家』『騎士』と、これまたかなりいい組み合わせのイリスイリアス。生産ジョブは『料理人』。何日もダンジョンに潜るなら一人は欲しい料理人だ。

 後衛は『弓兵』『冒険家』と痒い所に手が届く組み合わせのシャンドラ。生産ジョブは『樵』。


 俺を含めセカンドジョブに3人も『騎士』系ジョブが入るという防御を重視し過ぎたパーティになったが、全く問題ない。むしろメインヒーラーが居ないので被ダメが少ないのはいいことだと思う。

 まぁ、残り物と称しはしたが、ミレニアやイーリスだって鬼ではない。俺達の事も考え、パーティバランスが崩壊しないように気を使ってくれたからこそ、こんないいパーティが組めたのだ。非情にありがたい話だと思う。

 ……2人しかいない『荷運び』を真っ先に確保されたのには頬が少しひきつったが、その程度は許容誤差の範囲である。……「奴ら、『倉庫番』と『手品師』の癖に」などとは思っていないとも。



 新人12人には、レベル9になるまでパワーレベリングが予定されている。配属先が決まってもすぐに同じパーティで戦う訳ではない。トップクランのヘルモードに付き合わされるだけで、たった1月で経験値を稼げる美味しく楽しい冒険が待っている。

 自分たちが出荷(ドナドナ)されると知らない彼女らでも、次に会う時はきっといい笑顔を見せてくれると思う。

 俺達の教えた基礎を胸に、是非生き残って欲しい。





 もっとも、俺達もパワーレベリングなどの為にパーティで行動しない。

 桜花たちはレベル14まで3層で頑張る予定だし、俺は俺で他のクランの冒険者のジョブ解放の旅が待っている。

 しばらくはみんなバラバラだ。


 その間に、ちょっと新しいドラゴンを育てようかね。

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