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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
なんちゃって錬金術士
110/320

駄目出し

 使えるアイテムは何か無いかなと、俺はゲーム時代の記憶を引っ張り出す。

 1年以上こっちにいたし、そこでの生活が濃かったため、日本人としての記憶はずいぶん薄れている。ゲームデータについてはメモ書きを残しておいたのでそれを見ながら考えれば済む話だけど。


 しかし、出て来るものはほとんどが戦闘に関するものばかり。生活に役立つような補助魔法的な物は少ない。

 『七鍵世界TRPG』はもとがTC(トレーディングカード)(ゲーム)なので、戦闘系に内容が偏るのは仕方がないことだけど。


 ただ、陣取り合戦に近い要素のあったTCGなので移動系のスキルや魔法も存在する。自身限定で一度に2マス移動する≪長距離飛行≫や仲間ごと空いてる陣地に移動できる≪雲の道≫といったスキルである。

 アイテムの方でも同じような効果のある物があったのだが、『突撃戦車』など地上を移動するものの方が多く、飛ぶ為の物となるととたんに数が限られる。


「『エレジアの飛行靴』ってのもあったけど」


 残念ながら、素材の一つが『ペガサスの羽』である。そしてレシピもこの世界には普通にある。

 それが用意されない以上、つまりは不可能と言う事だ。と言うか、ゲーム時代にあったアイテムそのままでどうにかできるなら俺に相談が来るはずも無いと言うが。



 魔法なら風魔法の≪レビテーション≫があったはずだけど。風属性の使える魔術士を探して覚えさせればいいんじゃないかなと言ってみたら、空に浮いた状態では戦闘できないし、地面から数㎝浮くだけの魔法だったらしく意味が無いと言われた。

 自由に空を飛び回る魔法があったとしても、島ごとの移動でどれだけMPが必要になるかという問題もある。魔法だけでどうにかするのは現実的ではないらしい。





 そんな訳で、ゲーム内にあった物、その中でもこちらで使えそうかもと思ったアイテムを記憶から引っ張り出して用意できるか確認してみたけど。


 まさかの、全滅。

 大砲や爆薬を含め、何も無い。


 ゲームの時代(ブースターパック)も色々とあり、再現されていない、時代が違うから存在しない物も結構あったのだ。むしろ、ゲームの時代に囚われていない俺達の方が出来る事は多かったりする。

 レベルの1点だけを見ても理解できてしまうが、ダンジョンは現地人だけでは攻略不可能で、俺たち日本人の現地干渉と努力を以て攻略されるようにバランス調整がされているとみて間違いないだろう。力押しも可能なはずだけど、全く以て面倒な話である。



 オタゲーマーの嗜みとしてネタで魔法理論を考え、魔法科学なる怪しげな分野を妄想した事もあるが、ここでは本当にそれを実行しないといけない可能性が出てきた。

 素直に≪召喚術≫で飛行系モンスターを召喚してよと言いたいが、それが言えそうもない雰囲気なのは本当に困る。


 ≪召喚士≫の数が少ないというのは、本当に面倒だ。

 リアルに考えれば数が少なくて当たり前で、数が多かったら社会が崩壊するんだろうけど、それでも冒険者ぐらい≪召喚士≫が一般的であってほしかった。希少な職を選んだ俺への負担が大きくなりそうだ。



 やろうとする事、これから打とうとする手。

 それらにダメ出しをされ、期待という名の重責を課せられて。

 俺はやや鬱気味になっていた。


 「できるかボケー!!」って叫びたいなぁ。

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