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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
召喚術師の始まり
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スキル確認

 武具屋で戦利品を売り払い、ホムンクルス達を連れ帰ると、宿では少し騒ぎになった。

 彼女らの主がダンジョンで死んだこと、それはどうでもいい(・・・・・・)日常の一コマとして扱われた。

 だが、その冒険者の財産を、8000G相当の使役モンスターを他の冒険者が連れ帰った事が問題視された。


 ありていに言えば、俺は冒険者を殺した危険人物として疑われたのである。


 こういった仲間殺しは珍しい話じゃないし、もしそうであっても「法には問われない」事になっている。ダンジョン内の死亡に関しては基本、自己責任である。

 ただ、同じ冒険者から敬遠されるのだ。


 この展開はあまり考えていなかったが、桜花たちの言葉は俺が新しい主だからと信用されず、かなり評判が落ちた。



 また、日本人たちの間には別の問題が浮上した。

 死者の蘇生に関する話である。


 この世界の基礎ルールは『七鍵世界TRPG』準拠であり、死者蘇生もあると思っていただけに大誤算でだったのである。

 死んでも借金を背負うだけで生き返れると思っていたからこそ、死んだ彼も無理をしたのだろうし。


 細かいことを言えば、死者蘇生は可能な筈である。

 事前に神殿に予約をしてあれば(・・・・・・・)遺体の一部があれば神殿で蘇生してもらえるようになっていて、30000Gの借金と1週間の休養で生き返れるというのを宿にいた冒険者から聞いた。

 なので彼らの心配は正しくない。情報収集不足なだけだ。



 この日は宿の部屋を1泊60Gの4人用の大部屋に変え、5人で寝た。

 みんな体が小さいので、人数については目こぼししてもらった。





 先日のやり取りがあったが、宿の従業員は俺に対する態度を変えなかった。

 そこは素直にありがたいと思う。

 ただ、同じ客の一部が俺に疑惑の目を向けているだけで済んだ。



 今日からは新メンバーも加え、いざダンジョンに……とは行かないことにした。本日は休みである。

 都市の外、草原で各自の持つスキルの検証と基礎訓練だ。


「あの、私たちの、せいですか?」

「半分正解、半分間違いだよ。今後のフォーメーションを考えなきゃいけないし、簡単な連携訓練をしたいんだ」


 能力については自己申告で聞かされた。


 ホムンクルスの桜花は攻撃魔法型なのだが、昨日までは魔法の発動体が無く、魔法の成功率が低すぎて完全に戦力外だった。

 今は俺が魔法の発動体になるワンドを与えたので、成功率8割まで上昇している。

 種族系ジョブの『ホムンクルス』は≪魔力精製≫という魔力による自己ブーストができるジョブだが、低レベルのうちは時間経過を含め自力で魔力を回復させられないデメリットがある。


 メイドトリオ、ローズマリーが運搬役。ジョブは『荷物持ち』で≪アイテムボックス≫スキルを持っている。

 昨日はこのスキルで多くの武具を持ち帰る事が出来たので、彼女はかなり役に立つと考えていい。資金稼ぎ的な意味なら。戦闘能力は皆無である。


 メイド2号、フェンネルは俺と同じく『騎士』のジョブを持っている。取っていたスキルは≪鉄壁≫という、防具の性能を引き上げダメージを減少させるスキル。俺の≪カバーリング≫、味方へのダメージカット能力と違い、自身の生存力を高めるスキルだ。

 残念ながらご主人様をかばうスキルではなかったので、守りきれずに戦線が崩壊したわけだ。いや、そもそも防具無しだったのが一番の問題だな。意味ないじゃん。


 メイド3号、キャラウェイは攻撃型のジョブ『格闘家』だ。スキル≪浸透拳≫は防御力無視ダメージを与えるスキルだ。武器も必要無いので、この子だけはまだマシな状態だった。

 ただ、格闘家は決定打に欠けるジョブでもある。戦闘時間の遅延したのもそうだが、他メンバー全員が穴という状況ではあまり意味が無かったようだ。


 種族ジョブ『メイドサーヴァント』のスキルは≪家事≫である。≪マッサージ≫≪薬膳≫≪お手伝い≫などと主人をサポートするスキルや身の回りを世話するスキルで主人に行動判定ボーナスを与える事が出来る。自己バフ? 無いよそんなの。

 なお、現在はジョブレベルが0のため、出来るようになる予定ってだけのようだが。



 ゲーム時代同様のジョブとスキルであるが、ここでどんな効果を発揮できるか試したわけではない。

 そこのところも含めて検証が必要である。

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