表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
なんちゃって錬金術士
108/320

3層:死せる人形王

 宮殿のボスは、いかにも王様といった格好をした杖を持つアンデットだった。

 配下の魔法生物たちを多数従え、本人は魔法を使いつつ支援、あとはこちらを数で押し潰すスタイルに見える。


 実際に戦った事のある仲間から話を聞いているので予習済みだが、あの杖は王権を表す為の物で、実際は『人形遣い』と『戦士』のジョブ持ちらしい。ある程度時間が経つと剣を持って襲いかかってくるらしい。油断するとあっという間に切り伏せられるという。





「――かかれ」


 敵の数は30を超え、その数を活かせる広さが謁見の間にはあった。

 しかも見えない位置にはまだ敵が控えているらしいし、そもそも視認が難しい影に潜む者(シャドウストーカー)のようなモンスターもいる。


 だから、範囲攻撃で数を削れる『魔術士』系ジョブの人がいないとかなり苦戦する。


「≪ファイアストーム≫!!」

「≪ディスペルマジック≫」

「≪ディスペルマジック≫!」



 迫りくる敵。

 それを迎撃する魔法。

 魔法が放たれれば相手もそれを打ち消そうとするのだが、それを予測してさらにこちらも相手の妨害を打ち消しにかかる。

 ゲームでは対抗合戦と言われるそれは、実際には事前準備の問題でそう長くは続かない。展開を予測して戦う俺達に対し、ただダンジョンに使役される彼らでは対応が追い付かなくなるのも自明の理だ。当然のように≪ファイアストーム≫が成功し、敵のHPを大きく削る。


 また、対抗合戦とは別に敵のディスペル要員を削るため、バランが敵のホムンクルスを殺していく。

 そうこうするうちに接近してきた敵はジョンが武器の損耗を惜しまず剣を使い潰しながら屠っていった。



「ティナ! ≪魔獣の咆哮≫!」


 俺も何もしない訳にも行かない。ティナに命じ、≪魔獣の咆哮≫という敵の動きを止めるスキルを使わせる。

 魔力を乗せた咆哮は精神を持たないゴーレム系のモンスターにすら有効だ。むしろ強い精神力で抵抗する事ができないゴーレムの方がより有効なぐらいで、少なくない数の敵の動きを止めることに成功する。

 その隙を突いた仲間が、また一気に敵の数を減らしにかかる。



 戦いは順調で、2回目のジョンやバランたちも危なげなく敵の数を削る。

 そして。


「ばかな……」


 戦闘中盤、早々にボスである『死せる人形王』を撃破した。

 創作物語やゲームならボスは最後まで残る物なのかもしれないが、実戦ではボスこそ早めに落す方が正解なのだ。容赦の欠片も無い。相手が優秀な剣士であれば、むしろ剣を持つ前に倒す事こそ正義である。



 そうして魔法生物を強化する支援スキルを使っていたボスを倒したことで、戦況はこちらに大きく傾く。ゲーム的に戦力の逐次投入をしていた事もあり、この流れはもう変わらない。


 最強クラスの冒険者5人と足手纏いを脱出したオマケの俺。

 1人を除き初回ではない為、3層のボスまでは楽に勝たせてもらえるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ