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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
なんちゃって錬金術士
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女性冒険者の悩み

 レベルアップ以外の要因で戦力が強化されると、経験値稼ぎが楽になる。

 装備を整えるというのはその中で最も分かりやすい方法であった。



「ティナちゃんとマリーちゃん、いろいろくれるようになりましたね」


 『倉庫番』のミレニアが、預けられたアイテムを手にぽつりと呟いた。


 戦闘で何度も出番があるティナとマリー。召喚回数が増えたからかその他の理由か。この2頭はたびたびアイテムを持ってくるようになった。

 たまにだが、送還される前に『風精竜の~~』と『嵐竜の~~』という種族ごとの素材を置いて行くのだ。5日に1個ぐらいのペースで素材だけが増えていく。


 特に多いのが『風精竜(ティナ)の翼膜』と『嵐竜(マリー)の剛爪』である。

 翼膜はそれなりの数になったので、ギルド内の伝手で紙にしてもらい、いずれは魔導書のページにする予定だ。上手くいけばもっといい魔導書を作る事が出来るかもしれない。

 爪の方は鍛冶師の方に回して武器素材になるか試してもらっている。竜種の爪はいくつかの鉱石とブレンドすることで特殊な合金の触媒になるという文献があったのだ。その再現が目標である。夢が広がるね。


 だが、何を作るにしても消費と供給の速度の差が大きい。供給の方が圧倒的に早かったりする。

 売却しようにも値段が付かなければ意味が無いし、買い手も見つからない有様である。それに今は見付かったとしても二束三文で買い叩かれるだろう。

 研究などが終われば、結果を出せれば状況が改善されるので、まずはじっくりと待つことにする。


 研究用にもっと素材を回せばいいと思われるだろうが、研究だってお金がかかるのだ。多くの人を雇う余裕など、今の俺には無い。





 経験値稼ぎが順調だと、少しだけダンジョンの奥まで進むことができる。

 難易度の高い戦闘をこなせるようになる。

 そして、そこまで行くのに時間が必要になる。


 だから泊りがけのダンジョン探索が増えていく。

 その方が経験値稼ぎに都合がいい。



 とは言え、毎回泊りがけで探索できるわけでもない。

 女性メンバーが多いため、とある理由で早々に撤退したり、探索をせずギルドにいる事も多かったりする。


「うう、今回は重いですのー」

「ほい、鎮痛剤」

「ありがとうですの。『神官』のヒールが効かないなんて、知りたくなかったですのー」


 その理由とは、生理である。女の子ばかりなので、こんな理由でダンジョンに潜れない日もある。

 大丈夫だと思っていたら急に生理が始まるなどの理由でダンジョンから撤収することも珍しくない。


 その分だけ依頼(クエスト)をこなせなくなるので、素材は少しストックしておくようにしている。ゲームでよくある「依頼の前に必要素材を集めておく」である。

 じゃないと依頼(クエスト)失敗(フェイリア)で違約金を払う事になるからね。無駄な出費は避けられるだけ避けたい。



 なお、ミレニアは大体軽めで、無理をしてそのままダンジョン探索を続けることもある(つわもの)である。イーリスは軽かったり重かったりと、乱数が大きい。

 で、ララは毎回重い。特に酷い時は1日寝込むほどである。俺謹製の生理痛にも効く鎮痛剤で痛みを誤魔化し、そのまま寝てしまうというのが正しい表現だが。そうなると3日はダンジョンに行けない。





 こういったときは男の俺では共感も何もできないので、薬を渡して休ませるのが精一杯の気遣いだ。


 生理痛に効くマッサージも世の中にはあったと思うが、さすがに俺もそこまで詳しい事は知らない。

 親の肩もみは得意だったが、それ以外は全然ダメなんだよなー。

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