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北極星の竜召喚士  作者: 猫の人
なんちゃって錬金術士
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みんなの生産

 ダンジョン探索で俺の召喚時間が増えると、それだけ戦力が安定して高くなる。

 これまでだとMPをケチってなかなか召喚をしなかった訳だが、そこそこ厳しいかなと思えばすぐに召喚に頼り、短時間で戦闘を終わらせるようになった。

 これによりミレニアがずいぶん悔しがっていたが、レベルが上がれば彼女の分の魔導書もちゃんと作るので、今は我慢してもらうしかない。


 他の『筆者』を探せばいいのだろうけど、生憎、他の人のスキルに対応可能な魔導書を書けるような高レベル筆者は見付かっていない。

 それに、そんな魔導書であればかなりのお金を取られる気がする。ゲーム時代だったら俺のやつと同じ効果のなら素材持ち込みをしても5000Gは必要だったかな? ランクが上がれば5万Gは取られて、さらに上を目指しても非売品になっていた。イベント報酬扱いかな。

 つまり、俺のレベルを上げるのが近道なのである。





 それと、これまで全く仕事をしていなかったジョブが仕事をした。

 ティナの、『財宝の守護者』というジョブである。


 これ、ドラゴンは巣にお宝を貯め込む習慣があるという設定をジョブ化した物である。

 つまり、高レベルドラゴンになり、『財宝の守護者』のレベルが高くなると、ティナたちはレベル相応の財宝を持っている事になる。

 これまで何も貰えた事が無かったけど、ゲーム時代なら1シナリオに1回、何らかのアイテムをくれるというジョブだったのだ。



 貰ったのは『風精竜の翼膜』というドラゴン系素材である。1m×2mぐらいの大きさで、使い道は分からない。

 ギルドに出入りしている商人たちに聞いてみたけど、誰も知らないアイテムであった。


 名前から推測すればティナの脱皮時に残った翼膜なのだろうけど、どうしようか扱いに困ってしまった。

 これを魔導書の素材にする事も考えたけど、それだと量が足りない。ついでに紙にする方法も分からない。紙になるのか、これ?


 当面はお蔵入りすることが決まった。

 俺の未熟な腕を許してほしい。





 俺の生産ジョブがようやく日の目を見始めたわけだが、他の仲間も生産を始めている。


 桜花は『錬金術師』から『薬剤師』になり、普段使う『治癒の薬』や『高品質な治癒の薬』を作るようになっている。

 ミレニアは『細工師』を『宝飾職人』に変え、鉱石を使ったアクセサリを作っている。アクセサリは僅かだが能力上昇の効果があり、MPを1点でも増やしたい俺は彼女のアクセサリの世話になっている。

 イーリスは『機織り職人』を『魔毛織(まもうお)り職人』という、モンスター素材で布防具を作成する方に成長する予定である。今のところ、イーリスはレベル7で『手品師』を目指すのが先である。よって彼女の生産ジョブの出番はまだない。

 ララは、レベルだけ見ればまだまだこれからである。だが『料理人』はMP回復の料理を作れるので、イーリスよりも出番がある。いろんな意味で美味しいです、はい。



 全員の生産ジョブが上手くバラけているので、1人はまだ待機状態だが、役割分担がしっかりできる。

 後衛に戦力が傾き過ぎている事を無視できれば本当にいいパーティだと思うよ。

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