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音楽室で揺れる前髪

作者: 皿尾 りお

君と僕が付き合い始めたのは、高校1年の秋。


覚えてるよ。


一緒に文化委員になったよね。


大変だったよね。


文化祭。


その打ち上げでの君からの告白。


ホント、嬉しかった。


ホント、僕も好きだったから。


初めて、神様っているんだなぁって思ったよ。




君と付き合い始めて、未来なんて消えていったんだよ。


君といる「今」だけがあれば良かった。




それから高校2年になって、また同じクラスになっても、僕は驚かなかった。


だって、神様はいるんだもの。


毎日一緒に帰ったよね。


君は音楽部で、僕はバスケ部。


僕のほうが終わるのが遅かったから、君はいつも一人、音楽室で待ってくれて居たよね。


音楽部は終わるのが早かったから。


だから、初めて手を繋いだのも音楽室。


初めてキスしたのも。


いつも音楽室には西日が差し込んでいて、それを浴びる君は、いつも信じられないほど綺麗


だったよ。







その日は、「待たなくていいよ。」って言ったんだ。


次の日は試合だから。


練習が遅くなると思って。


でも、顧問の先生が、明日は試合だから練習を早めに切り上げて、ゆっくり疲れを取れって。


それでも終わったのは、いつもと変わらないくらいの時間だったんだけど。


だから僕は、音楽室に行ったんだ。


もう、とっくに帰っているんだろうなぁって思いながら。


でも、君と会いたかったから。






僕は、音楽室の窓から中をのぞく。


やっぱり、君は居なかった。


会いたかったな。


電気もついてないし。


僕は音楽室を後にしようとした。




その時、窓から見える音楽室奥の楽器保管室の扉の隙間から、かすかに、長い前髪が揺れる


のが見えた気がした。


君だろうか?


君だったら、いいのにな・・・


僕は目を凝らした。


誰かの前髪が揺れている。


前髪が揺れている。


前髪が揺れている。





音楽室の扉は鍵がかかっている。


僕は、楽器保管室の扉の隙間が、よく見える窓に移動する。


・・・・・君だ。


君の後ろから、男が腰を振っている。


男が腰を振っている。


男が腰を振っている。


君の前髪が揺れる。


揺れる。


揺れる。


揺れる。




僕は、怖くなってしゃがんだ。






今じゃ、もう、いつ別れたのかも、どうやって別れたのかも思い出せない。





・・・・・君と手を繋いだ?



・・・・・君と?笑った?



・・・・・君?と?帰った?



・・・・・君?と?恋?して?いた??



・・・・・どう?しよ?うも?ないくらい?会いた?かった??????





確かに、未来なんて消えて行ったんだ・・・・




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― 新着の感想 ―
[一言] どうも皿尾りおさん。 思い出話から自分目線への切り替えが曖昧で少し分かりにくく乗りにくかったのがこの評価の原因です。思い出話なのに彼の彼女に対する思いが弱く感じたのも原因です。彼にとって彼女…
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