3話 ルール説明とオマケに金髪筋肉マッチョ
『やぁ、待ちわびたよ成瀬くん。』
無駄に良い声だから腹立つ。
『君は選ばれし者として選ばれた人間なんだ。もちろんすぐに自覚しろとも強制はしないよ?だってこれから10日間で良く分かると思うしね。』
いや、わからん。全くといっていいほどにわからない。
いきなり異世界召喚されたと思えば強制転移だとかで魔法陣に包み込まれたと思えばなんだよ……
なんで、俺の目の前に上半身裸の筋肉マッチョで金髪なオッサンがいるんだよ!!!?
いやいや、もっと適任な人いたでしょ!?
よりにもよって金髪筋肉マッチョとかダメだよ。
もう、見せられないよって規制をかけないと!!!!
『成瀬くん……先程から黙っていてどうしたんだい?困ったこととかあるのかな?それとも体調が悪いとかかな?……ねぇ?聞こえてるよね?ねぇ?おーい?………………。』
あー、オッサンめっちゃ困ってるわ。
このまま無視してればなんとかなりそうだけど展開的にここは話さないといけない感じなんだろうな。
この歳で金髪筋肉マッチョと話すことになるなんて誰が想像したよ。
『あー、その、なんだ?アンタがここに連れてきた奴って解釈で間違ってないよな……?』
『勿論、そうだよ!!君は選ばれし者の一人としてここに呼び出されたんだよ!!!!』
うわっ、めんどくせぇ……
何このわかり易いぐらいのテンションの上がりよう。
『選ばれし者ってことはアレか?俺以外にも異世界召喚された奴がいるってことだよな?だとすると何人いるんだ。』
『君はカンが冴えてるようだね。そうだよ。君を合わせて10人召喚させてもらったんだよ。そしてこの10人でサバイバルゲームをしてもらうんだ。』
俺を以外に9人も召喚されてんのか……。
これ考えた奴って相当変な奴だろうな……。
『それならわざわざ異世界召喚しなくても無人島とかでやれば良いんじゃねぇの?漫画でそんなのあった気がするし。』
『異世界ならではのルールでサバイバルゲームをしてもらいたいんだよね。これを見てね。』
金髪筋肉マッチョはそう言いながら俺の目の前に手をかざし魔法陣を出してきた。
見た目は亀甲の形をして中央に篭目がありたくさんの異国語が散りばめられており簡単に言えば凄くカッコ良い魔法陣だ。
魔法陣から出てきたのは電子的な感じの映像みたいな紙が現れた。
異世界サバイバルゲーム
参加人数:10名
日数:10日間
一人につき一つクラスを授ける。
【聖騎士】【魔法師】【盗賊】【付与魔術師】【召喚師】
【竜騎士】【暗殺者】【鍛治師】【造花】【吟遊詩人】
クラスについては主催者が勝手に決めているので確認をお願いいたします。
殺し合いしても良し、協力し10日間を楽しむも良し。
街などにいる人々は全て運営側が作り出したゴーレムです。
人間の姿はしていますが一応はゴーレムです。
モンスターに関しては襲ってくる場合があるので各自対処してください。
これよりサバイバルゲームの舞台となる仮想領域に転移してもらいます。
『えっ、また転移っすか……』
いざ自分が異世界召喚されたらされたで転移とかしょぼく感じるよ……
『それでは10日後にサバイバルゲームで生き残っていればまた会おう。』
……ん?ちょっと待てよ!!?
『おい、待てよ!!生き残っていればってどう―――』
俺の言葉を遮るかのように魔法陣が現れ、瞬時に飲み込んでいった。
『君には期待しているんだよ……成瀬侑哉くん……。』
金髪筋肉マッチョ……戸倉翔琉は10名のクラスが書かれている映像紙を見ながら呟いた。
[成瀬侑哉 【付与魔術師】]
『生き残ってくれよ……君は僕の唯一の――なのだから。』
この話って正直な話、意味がわからないよね(困惑)