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cace29

普段なら暫く更新ないと思った読者の皆様

待たせたなっキリッ

暗い海の中、水深200m

朝日が西へと沈み、再び東から再びその身を出した頃。

青い海よりも蒼い船体は静かに浮上を始める。


「…」


CICにいる人影は2つ。

蒼いコートを纏い、静かに時を待つ神原。

自らの主に付き従い、時には主の道を正すピナカ。

言葉を交わさずともお互い何が言いたいかはわかっている。

そしてピナカがこの後の行動に何も言わないという事の意味も。


「船体浮上完了。いってらっしゃいませ。マイマスター」

「…留守を頼む」

「お預かりいたします」


神原を上陸させた後再び海中へと身を沈めるダーインスレイブ。



タリタニアの館の一室で彼女は一人の老人と相対していた。


「ムシュフ殿、現状は?」

「非常に厳しいですな。これならまだ火龍の背中でダンスの方が楽ですわい」

「そうか…」

「冒険者ギルドバリム支部としては街を防衛するよう緊急依頼を出し、志願者を募りましたがまたランクの低い冒険者と貴女の私兵だけで良くここまで持ちこたえたものです」

「皆、勇気ある者ばかりだった。私に力が無いばかりに…」

「貴女だからです。現に貴女の館は避難所として使われ、我々も貴女の館でこうして対策を練っている」


彼はバリムの街のギルドマスターであり、タリタニアを古くから知る人物でもある。

そして今はタリタニアの数少ない味方でもある。


「王都からの援軍は?」

「間に合わんじゃろう」

「やはり…。私も出るしか道はありませんか…」

「何か…打開策があるのか?」

「打開策はありません。賭けならあります。ただし分はかなり悪いです」


その時扉が荒々しく開かれ一人の若い兵士が現れる。


「何事じゃ?」

「ハッ。ま、まもなくここに敵が来ます! 今は警備部隊が撤退しながら応戦してます!!」


それだけ言い切るとその兵士は気を失い、休ませる為別室へと連れていかれた。

それを聞いたタリタニアとムシュフはそれぞれの部下へと矢継ぎ早に命令を下す。


「部隊を集合させろ!」

「冒険者達に広場へ通じる道にバリケードを作らせよ!」



「来やがったぞ!」

「まだ射つなよ、引き付けろ」

「詠唱、始めます」


その軍の歩みは地を、大気を、敵を恐怖で震わせ、一糸乱れる事なく大通りからタリタニア達と相対する。

その中から一人の人物が馬と共に姿を表す。


「私は優秀なるセラリアの軍団を指揮する者なり! 貴様らの指揮官は何処に!」


その台詞に出ようとするムシュフを抑え、自ら指揮官として出ていくタリタニア。


「私だ」

「貴様が指揮官か…。ふむ。貴様の身体に免じて貴様が私の物になれば他は助けよう」

「…信じるに足りぬ。証拠もない」

「だが断れば全滅だ。貴様には最初から選択肢などない」

「くっ…」


葛藤するタリタニア、催促するセラリア指揮官。

そのまま永遠に続くかと思われた両軍の相対は新手の出現により、終わりを告げる。

未だ火が消えぬ大通りと直角に交差するもう1つの大通り。

嘗ての主要港があり、今や使うものも減りつつある港へと続く道の果てより、かの者は現れる。

蒼のコートをはためかせ、戦場をまるで散歩をするかのように歩く者。


「誰だ貴様は!」

「いいのか? タリタニア」


指揮官など居ない者として扱い、タリタニアへと再び問う。


「いいのか? タリタニア」

「……いいわけなどない……しかし、私には…力が無い…」

「ならば求め、願い、言葉にせよ」

「私に…力を……貸してくれ。貸してください…蒼の賢者殿…。私と私の仲間を……助けて!!!」

「しかと聞き入れた」


ここまでのやり取りを黙ってみていたほどセラリアの指揮官は無能ではない。

弓兵に弓を引かせ、全員に抜剣させ何時でも相手を蹂躙できるよう準備していた。


「お芝居は終わりか? たかが一人で何が出切る?」

「…」


神原は暫し指揮官を見ていたが、口を開くと1つの質問を投げ掛ける。


「お前は今まで何人をそうしてきた?」

「ハッ、何を言うかと思えば知れた事を。これが俺の仕事だ」

「そうか…」

「どうした? 今さら怖くなったから声もでないの…」


辺りに響き渡る残響音、そして地面を叩く空薬莢の澄んだ音がやけに響く。

音の発生源は神原の右腕に握られた銃、レクイエム。


「お前ら、自分の土地の住人の為に女が身体張ったんだ。しっかり働け」


その言葉が辺りに吸い込まれると途端に騒がしい音がタリタニア達の耳に届く。


「我らが王が独りでおられるな」

「ならばどうする?」

「共に戦うまでだ!」


その会話がが交わされると同時に、辺りからタリタニア達を保護するため走るミドガルズ所属の兵達。

そして空にはBRI-64が空から彼らを援護する。

もはやバリムの街はミドガルズにより取り戻されつつあった。


「蒼の賢者殿…貴方はいったい…」


タリタニアはそう問わずにはいられなかった。

目の前の人物が何者であれ、自分達を救ってくれる人物に間違いはないとしても…。


こうしてミドガルズは歴史の表舞台に姿を表した。


温泉いったらネタが源泉かけ流し状態になりました。

今さらだけどコートとローブってそんな変わらない気がする。

ローブに変えるべきか

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