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cace22

長らくお待たせした挙げ句にこの程度の出来で申し訳ありません

「進路そのまま!!!急速潜航!全速力で振り切れ!!」

「第06から12まで発射準備完了!サルヴォー!」


時間を戻すこと第四王女がグロッティに来たときの事。

神原達が拠点を構える国「トライス国」、その第四位とはいえ王位継承権をもつ王女がなぜ、「グロッティ」に来たのかというと


「なんでじゃ」

「リンさんそう言わずに、どうか引き受けてくれないでしょうか」

「お願いいたします」


イリアと共に頭を下げながら懇願する第四王女の顔は、長い髪で隠されていても容易に想像できる。


「なんでそこらの旅商人が王女様なんかを旅に連れていかなきゃならんのじゃ」

「リンさん、王女殿下をなんか呼ばわりするのはどうかと…」

「構いません、ただこれだけは聞いて下さい。どうか、その上で判断してください」


王族の気迫とでもいうものを纏わせつつさらにこう続ける


「私は…篭の鳥です。命を狙われ続けるひ弱な小鳥です。どうか…世界を見せて下さりませんか?」

「…返事は後程。お茶を用意するのでしばし時間を頂けるだろうか?」

「わかりました。どうかよろしくお願いいたします」


王女に断りを入れ、一時裏に行く神原とイリア。ピナカは王女にお茶を淹れている。


「さて、洗いざらい全分話して貰おうか。イリア」

「あの方は篭の中の鳥です。このままでは世界を知らないまま政治の道具として使われます。だったら」

「そこまでだ、端的に言え。後報奨マシマシな」

「しょうがないですね。端的に言うならば1度世界を見てきてもらう事が目的です」

「…違うな」

「はい?」


思わず聞き返すイリア。だが、彼の目は段々と据わってくる。


「本当の理由はなんだ?」

「ほ、本当です。あの子には世界を見せてあげたいんです。」

「…良いだろう。期間は無期限でか?」

「はい。よろしくお願いいたします」


深々と頭を下げるイリアを尻目に第四王女のもとへと向かう。


「お待たせいたしました。結果から言うとお引き受け致します。」

「ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします」


船はいつものカムフラージュ用木造船舶の底面をダーインスレイブと接続させ、万が一に備えダーインスレイブへと繋がる通路を急遽改装して設置し、王女には有事の際木造船舶からダーインスレイブへと移って貰えるようにした。

なお通路の名前は階段つきなのになぜか没シュートだったりする。

出航当初は、急遽護衛の名目で女騎士が一人同行することになったり、万が一の際の取り決めでごたついたが、それ以外特に問題もなくこのまま次の目的地に着くはずだった。

そして今、神原達は王女の身を狙う無数の海賊船に取り囲まれていた。


「ちくしょう!護衛の名目で一人までなら同行を許可したは良いがダーインスレイブまで見せるはめになるなんて聞いてねぇぞ!!没シュート格納まだか!!」

「マスター。そうは言ってもあれだけの数の敵性目標をなるべく殺さずに無力化するにはやはりダーインスレイブでないと無理です。没シュート格納完了しました」

「だからってなんで賊の命助けるはめになるんだよ!チクショウイリア!報奨マシマシのマシマシだくそっ!!」

「申し訳ありません。ですが彼らも我が国の民。あの様な行為を行わせたのは私達王家の至らぬが故なのです。報奨もだしますのでどうか…」


賊と言えど自国の民としてなるべく助けたい意思は王族に連なるものとしてまだ未熟者の域をでないだろう。

しかし、今はまだ継承権を無くせばただの人である。

そんな王女を横目に見ると神原は追加で命令を下す。


「艦首魚雷1番から6番まで装填」

「了解。魚雷1番から6番装填」

「トラックナンバー184から189までに照準あわせろ」

「了解。1番から6番まで緒元情報入力完了」

「発射」


海中から死を運ぶものが哀れな獲物の船尾に食らいつく。その一部始終を見ていた第四王女は怒りを隠せないまま神原に噛みつく


「蒼の行商人様。これは…どういうつもりですが?」

「どうもこうも、なるべく犠牲を出さずにこの戦闘を終わらせる簡単な手段です」

「それは認めましょう。ですが貴方なら他に方法があったのではないでしょうか?」

「ありません。これが一番効果的でしたので」


船内メインスクリーンには赤々と燃え上がる木造船が写し出されていた。


「マスター。艦尾に居たものは助からないでしょうが他はまだ生きています。止めを?」

「いらん。全速力で戦闘海域を離脱。その後はゆっくりするぞ」

「了解しました。マイマスター」

「第四王女よ。今回の情報がなぜ漏れたか心当たりは?」

「…わかりません。」

「そうですか。では、部屋を一室空けますので今後はそこを使って下さい。それと、今回の積み荷の料金は1つ貸しにしときます」

「…わかり…ました」

「ピナカ」

「イエスマイマスター。さ、王女様此方です」


護衛の名目の女性を担ぎ上げると王女を連れだって部屋へと案内するピナカ。

後には静寂と神原だけが残された。


「絶対面倒事だよこれ。確信だわ」



次回はたぶん2月の後半かと(´・ω・`)

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