caseex,operation The new year
新年明けましておめでとうございます
読者の皆様には昨年は大変お世話になりました
本年も駄文ではありますがよろしくお願いいたします
「今年も終わりですね、マスター」
「せやな」
「そうですね」
「そうだねぇ」
外は雪降る大晦日、神原達は炬燵を囲みミカンを頬張っていた。
イリアは若いからかうつらうつらと船を漕いでおり、ピナカとアイリスは神原を挟んで対面に座りつつ和んでいる
「しかし、こうも集まるとはな」
「何がですか?」
「何がよ?私じゃ不満?」
神原の顔を覗きつついたずらっぽく笑う二人に苦笑する神原
「いやいや今までだったら野郎だけか一人だけだったからな」
その言葉に思わず爆笑する二人
「良かったじゃない。今年は私たちがいて」
「本当ですよ。両手にこんな美人侍らせて」
「はいはい分かったって。こんな美人に囲まれて幸せだなぁ」
唐突に顔をあげて何故か立ち上がるイリア
「美人と聞いて起きましたおはようございます」
「美人がいうから許されるんだからなその台詞」
「そうです。私は美人ですから」
そしてイリアから見て左右に座る二人を見て鼻で笑う
…決してどこがとは言わないが…
「言っておくが大きさではない」
「私は貴女よりありますから」
「…かまくら作ってくる」
紛争地域からさっさと撤退する神原
「まぁ、楽しいからいいか」
という訳でかまくらを割りと本気で作る神原
満足がいく頃には外観は雪の城のような外観になっていた。
「上手だな」
「中は案外広いですねマスター」
「お鍋持ってきましたよ」
さっそく中で鍋をする4人
「平和ですねぇ」
「だな」
「平和が一番ですよ。マスター」
「何事も平和が一番だよね」
その時、そとから鈴のような涼しげな音が響き渡る
「あ、年が明けましたね」
「この音がか?」
「この音は氷竜の憂いと呼ばれていて、この月のこの時期にしか聞こえないんですよ。それでこの音が年明けの音としていつからか言われるようになったんですよ」
「ほへー」
「まぁなんというかあけおめ?」
「絞まらんなぁ」
「絞まりませんねぇ」
「絞まりませんよマスター」
「お前ら可哀想な目で見るのやめて下さい。泣いてしまいます」
その台詞に再び笑いに包まれる一同
「ま、いい年になるとええなぁ」
「なりますよ」
「なるさ」
「絶対なりますよマスター」
それぞれがかまくらの中、代わらない空気のまま新年は明けていった。
「あ、マスター。お年玉下さい」
「私にも下さい」
「くれるよね?」
「ちくしょう持ってきやがれ」
笑いながら新年は迎えられず財布は軽くなったようだ