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case0

とりあえず気晴らしに書いてみました

少しでも時間潰しになれば幸いです

5/2改稿

8/27 旧cace0,1を統合。新しくcace0として投稿します

吹き荒ぶ風と星明かりの下、彼女達は相対する。


「姉さん!返事をして姉さん!」

「よせ!彼女にもう我々の言葉は届かん!!」


風に髪を散らされ羽交い締めにされようとも少女の呼びかけは止まらない。


「姉さん!人の幸せが自分の幸せだって行ってたよね!!ならこの災厄を止めて!!!」

「ーーーー。こっちに来てはダメよ」

「姉さん!まだ意識が!!」

「もうすぐ私は私じゃなくなる。だから……」


少女を羽交い締めにしていた男に目を向ける。

僅かな時間ではあるが、二人はお互いに目線のみで会話していた。


「では……ーーーー。ごめんなさい」

「姉さん……何を」

「私は誰よりも貴女を愛してますよ」

「姉……さん」


気を失った少女を抱えると少女と瓜二つな彼女に目を向ける。


「よかったのか?これで」

「いいのです。それよりその子を頼みます」

「我が名にかけて」

「最後まで硬いままですね」

「すまない」


苦笑しながらどこか嬉しそうにいう彼女に硬い表情のまま謝罪する。

その彼女を光が包み始めていた。


「そろそろですね」

「ああ…」

「その子には新しい名をあげてください」

「……良い名が思いついたらな」

「十二分に悩んでくださいね」

「あぁ……」


彼女を囲むように光は展開していきやがてそれは魔方陣を形成する。

二人に残された時間はもう少ない。


「そんな泣きそうな顔しないの。もう……昔から変わらないのだから」

「そういうお前は綺麗になったな」

「お世辞でも嬉しいですよ」

「本心だ」


やがて彼女を囲んでいた光が一層強く輝いきだした。


「もしまた会えるなら……またよろしくお願いしますね」

「あぁ……」

「では……また今度ですね」

「必ずどうにかする。私と……この子で」

「期待せずに待っております」


そう言って彼女が微笑むとかつて無いほど光が輝き、それが収まるとそこに彼女の姿は無かった。


後には気を失った少女と彼女を抱える男。

そしてそれを囲む多数の人影と災厄の爪跡のみが残されていた。




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