表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の翡翠玉   作者: 遊兎
7/38

現れた敵




ゴォッと、何かが呻くような、

轟いたような音がした。

太陽がかげり、薄暗くなっていく。

空が突然曇り始めたみたいだ。


生徒たちはざわざわと騒ぎ出した。

先生は音のする方、ラシュテルゲンの

校舎の上の方に杖を向けている。

おれもその隣で杖を構えた。


はたはたと風にはためいた

ラシュテルゲンの旗の奥に、

そいつがいるようだ。旗は

ばさりと翻り、突然炎に包まれた!


生徒たちの悲鳴が

北の棟の裏庭をうめつくす。


「ああ!なんていうことだ!」


グラン先生があわてふためいている。

おれは空に杖を向けたまま、

黒煙の中からそいつが

姿を現すのを待った。


みんなが、奇声をあげながら抱き合った。

その奇声にかぶさるようにして、

黒煙の中からぎゃあああああと

いうような得体のしれない何かの

鳴き声が聞こえてきた。


さすがに、おれも一瞬たじろいたよ。

その鳴き声は何か

獰猛なものを思わせた。

この世界の全てを無理に

引き裂いたような鳴き声だった。

耳を塞ぎたくなるような

ものすごいいやな音。


ちょうど、黒板を引っ掻いた

ときの音のもっとひどいやつを

スピーカーから大音量で流した感じだ。


再びその鳴き声がしたとき

ヤツはとうとう姿を現した。


「…!」


ドラゴン…?!



唖然と、した。

おれも、先生も、みんなも。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ