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龍の翡翠玉   作者: 遊兎
23/38

図書室は知の聖地?


図書室は、やっぱり他の教室とは

雰囲気が全然違う。

古い紙の匂いがして、

しんと静まりかえっていて、

それでいてじっとしていると

襲いかかってきそうな何かがある。


ガルバやオルダが言っていた

「知の聖地」って、ほんとうに

しっくりくるよな。



司書のラトゥシア先生は革製の

ゆったりした椅子に深く腰掛けて

肘掛に肘をおいて寝ていた。


頭はがっくりと上向きに倒れ、

間抜けに開いた口がさらに笑いを誘う。


おいおいおい、ただの職務怠慢じゃんか。



「やべぇ、あの口になんか突っ込みたい…」


「ボク昨日あそこに三匹くらい

クモを誘導したの。起きるかなあと

思ったんだけど…そしたらね

『もう食べれない、ふえぇ』

って言ったの」


「クモ食べたの?!」


ぎょっとしてルゥに訊くと

ルゥはにやにやとうなずいた。


「傑作」

アシュメルの声が笑いをこらえて

震えている。


おれとアシュメルは笑いを

こらえるのに必死になって、

身をよじってラトゥシア先生の前を

通過した。


本の不思議な圧力の中、

図書室のずっと奥の方へ歩いて行った。

だんだん、分厚さ、古さ、内容の点で

本のレベルが上がっていく。


やがてたどりついたのは、

魔法史の本がぎっちりと

詰まった棚だった。

魔法史とはいっても、

ただの魔法史ではないようだ。


おれは書棚にぐいと顔を近づけて

背表紙を見た。


これ…ラシュテルゲンの

卒業アルバムや、学校史…?


「この書棚の下に、

からくり部屋があるんだ」



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