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龍の翡翠玉   作者: 遊兎
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過去の話。

俺は、今じゃラシュテルゲンの学生寮で

寝泊まりしているが、

三年くらい前までは校長室に

居候していた。…というのも、

ラシュテルゲンの入学は満12歳から

という決まりごとがあって、

初めて俺がこの学校に来たときは

入学するには年齢が足りなさすぎたんだ。


ここへ来たときのことは

ぼんやりとしか思い出せない。


俺の故郷はラシュテルゲンのある高原から

ふたつくらいをこえていったところにある、なんとかという地域だ。

なんだったっけ、わすれちゃったけど。


俺はその国の城に住んでいた。

幼稚園児くらいのそのころは

自覚がなかったけど、つまりそう、

俺はその国の王子だったのだ。

まあ、兄貴がけっこういたし、

俺には王位なんて回ってこないだろうと

呑気に考えたりして遊んでばかりいたけど。



10年前、俺が6歳だった頃

俺の故郷で大きな戦があった。

俺が生まれたころくらいからだんだん

海の向こうの国が力をつけてきたとかで

攻め込んできたらしい。


兄貴の1人が俺を城から

連れ出してくれて、逃げ延びた。

何が曖昧って、そこらあたりのこと。


ラシュテルゲンは荒れ野の真ん中に

立派すぎるほど立派に堂々と佇んでいて、

そのときの俺は、

ここに入れば助かりそうだと

咄嗟に思ったんだろう。


ラシュテルゲンの敷地に一歩踏み入ると

ぴりっといつもと違う感じを

感じたことは今でもはっきり思い出せる。

それで俺は怖くなってしばらく

木の陰とかに隠れていた。

そしたらラシュテルゲンの教員の1人に

見つかって、そのまま校長室へ連行された。

(その教員というのはいわゆる

生徒指導の教員というやつで、

俺とアシュメルは

後にそいつにこっぴどく

やられることになる。)




そ初めて「魔法使いの部屋」を見たときの

驚きといえば、筆舌に尽くし難い、

というやつで。

なんて荘厳なんだろうと思ったね。



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