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3、力

「ここか…」




声の主を見つけた。状況が確認でき、尚且つバレない位置に身を潜める。




(デカイ熊が1匹、小さい熊が4匹。それに対し、武装した女性が2人か。どちらも傷だらけだが意外と善戦しているな。熊の知能はそこまでっぽいな。)




女1「も、もう無理だって!!」



女2「何とか耐えて!!助けは呼んだしもうすぐで近くの町の兵士が来るはず!!」




気持ちでいえばすぐにでも助けてやりたいが、子供の身体、そして未知の生物との戦いはしたくない。そう理性が止めているのだが、身体が血と闘争を求めている。胸が高鳴りを感じる。




(…吸血鬼だからいつかは血も欲すると思ってたけど…!ここで出たところで勝算が…!…ッ!)




抵抗虚しく、本能に支配される。身体中が目の前にある血を欲している。全てを狩れと心が沸き立つ。俺は血に一直線に向かう。




女1「…!アンナ後ろ!!」




女2「…え?こ、子供?え!?痛っ!!」




流れた腕の血を舐め、傷口から血を吸う。これを、この味を渇望していたのだと身体が言っている。




女2「ちょ、ちょっと!離れて!痛いから!!!」




その言葉でようやく意識が目覚めていく。




「…!ご、ごめんなさい!つ、つい出来心で!」




女1「…なんでも良いけど子供は下がってて!!この熊は相手が誰だろうと容赦しないの!!」




そこで少し身体に違和感を抱く。




(…あれ?あの熊…今ならやれるぞ?力を感じる…吸血鬼の秘められた力か?心なしか大きくなってるような気さえしてきたな。)




「…君達は下がってて。俺やってくるから。」




女1「…え?え?あ、子供じゃない!?」


女2「お、おっきくなった!?」




地面を蹴り、距離を詰める。その速度を維持したまま1番大きな熊の頭上へと跳ぶ。身体の赴くままに。




「はは!これが吸血鬼か!」




力で熊の首を捻る。その場に倒れ込む熊。気分が良い。




「ちっちゃい方もやっとくか。」




噛み切る、心臓を貫く、首を落とす、頭を潰す。




「…熊の血はあんまり美味しくないな…しかもめちゃくちゃ疲れてる。身体が勝手に動いてた反動みたいな感じか…」




その場に倒れ込む。




(猫にまたたび、人間にビール、吸血鬼に血…)




「あー…楽しかった…」




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