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ラヴェルーニュのたたかい5

 アルス・ミラ連合軍の最終防衛線である100名の重装騎士団の奮戦によるものである。重装騎士団のなかでも生え抜きの100名が要となり、マクシミリアン軍の突破を食い止めた。


 ここで、ジョゼの不安は一気に現実化する。両翼の騎馬隊を殲滅したジャンとリザ将軍が、密集したマクシミリアン軍の背後から襲い掛かったのである。


「はははっ、すげーなぁ!本当に包囲しちまったよ」


 ジャンが興奮気味に呟くとリザも頷いた。この状況に興奮したのはジャンだけではない、丘陵地帯から見ているミラやエルザも同じである。


「やっちゃいましたね・・・・・・まさか、ほんとに包囲しちゃうとは」


「なんじゃ、貴様。儂の指揮を信じておらんかったのか?」


 ミラはニヤッと笑いながらエルザに問いかける。


「いえいえ、そういうわけじゃなくって。その、なんていうか。現実感がないっていうのかな」


「フフッ、まあな。儂もこうなるまでは半信半疑じゃったかもしれんな」


 ミラはそう言うと眼下に広がる光景を満足そうに眺めた。




「みんな、よく耐えてくれた!今より全軍、反転攻勢!敵を殲滅する!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


 アルスの激に兵士たちが応える。ここから、アルス・ミラ連合軍の包囲殲滅戦が始まった。


「よっしゃああああああ!アルスさまのお許しが出ちゃったからね。いっくぞおおお、エミールくん!あたしたちの愛の力を見せつけてやろうじゃないか!」


「サシャさん、意味がわかりません!」


「なんだよー、つれないなぁ。同じ弓使いじゃないかぁ」


「いや、全然関係ないですから!」


 サシャが背中に背負っている巨大な弓に矢をつがえる。サシャの矢は超長距離から届くことも脅威だが、本当の恐ろしさは至近距離から放たれる場合だろう。サシャのオーラが高まりそのオーラが矢へと流れ込んだ刹那、槍ほどもある巨大な矢が放たれた。



 ドッパァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!



 最初にサシャの矢を食らった兵士は、蒸発するかのようにオーラを纏った矢に消し飛ばされた。密集しているマクシミリアン軍の戦列に、サシャの放った矢の軌跡通りの穴が開く。エミールも弓に矢をつがえて放った。エミールの放った矢は、先端の矢じりが青く輝きながら放物線を描く。やがて、敵軍の中央で矢が爆発するのを見てサシャが叫ぶ。


「うっひょー!相変わらず凄いねぇ!それがオーラのセーシツってヤツだっけ?どーやんのそれ?あたしにも教えてよ!」


「そんな簡単なもんじゃないですよ。それにサシャさんだって凄いじゃないですか」


「うーん、エミールくん。私はもっと派手にやりたいのさっ♪」



 一方、ガストン率いる鉄壁の重装騎士団インペリアル・ブークリエは両側から圧力をかけて少しずつ包囲を縮めていく。


「盾構えっ!」


 重装騎士団が盾を構えると、敵からはほとんど盾しか見えなくなりほぼ壁のように映る。


「そのまま前進して敵を弾き飛ばせっ!」


 マクシミリアン軍はこの時点で、相当密集している。加えて軍全体の意識は中央を突破する事に専念しているため、外側の重装騎士団に対処しているのは、マクシミリアン軍のほんの一部だ。迫って来る壁のような騎士団に到底対処出来るものではなかった。弾き飛ばされ倒れたところを槍で突かれていく。


 一方、右翼側の重装騎士団に混じって奮戦するガルダとベルは、重装騎士たちを盾に思い切り攻勢に出ていた。戦斧を振るうたびに敵兵たちがまとめて吹き飛んでいく様は、敵兵にとって脅威である。これに近くにいたジョゼ将軍が気が付くと、すぐに周囲の兵をまとめて指揮し始めた。


「バラバラにかかるな!周りを囲んで多方向から攻撃するんだ!」


 ジョゼの指揮によって、直線的に面でかかってきた敵の動きに変化が生ずる。半円を作り、立体的に囲むようにして同時に攻撃が繰り出されるとガルダとベルも苦しくなっていった。


いつも拙書を読んで頂きありがとうございます。


☆、ブックマークして頂けたら喜びます。


今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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