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第2章 6つの力と石

 目覚まし時計の音がする。朝だ。私は顔をあげ、土曜日に起きたことが本当か確かめるべくあたりを見回した。いた。クレバーが、私の足のところらへんで丸まって寝ている。

 それもそのはず、今日は月曜日だ。昨日も同じ動作をして、クレバーの姿を確認している。ちなみに昨日はクレバーと一緒に図書館へ行った。クレバーはなんだか難しい本ばかり読んでいたが、それでも本の好きな友達ができたようでうれしかった。私に友達はいるが、皆本はあまり好きではない。一緒に遊びに行く場所は、本屋や図書館などではなく、カラオケやプリクラやゲーセンだ。もちろんカラオケもゲーセンも楽しいのだが、私は本を読むほうが何倍も楽しいと思う。


 「おはよールカ」

「おはよ」

学校に着いたのは、HRの三〇分前。かなり余裕だ。

 桜が少し咲いてきている。私は写真でも撮ろうとかばんを開けた。そして、重大なことに気がついた。

「ク、クレバー!? なんで学校にきてるの」

クレバーが私のかばんの中に忍び込んでいたのだ。

「ああ、私もこの学校に来ようと思ってな」

 クレバーは、姿を消すことができない。それは昨日知ったことだ。私が読んだことのある小説では、姿は主人にしか見えないという設定が多かったから、当然クレバーも消すことができると思ってたのだ。なのに、返事は「できない」。昨日は結局、かばんの中から顔だけ出してクレバーは本を読んでいた。

 学校には、当たり前だが人がいっぱいいる。もしも、姿の消すことのできないクレバーが見つかってしまったら、どう説明すればいいのかわからない。

「あ、ルカ、今どう説明すればいいのだろうとでも考えていただろ」

クレバーが指摘してきた。仲間とその持ち主の心は読めないというのは本当なのか、疑いたくなる。

「まあ心配するな。そのうちわかる」


 私が机で本を読んでいると、私と同じ学級委員の小林君が話しかけてきた。

「早瀬、今日昼休みに生徒総会があるぞ」

げ、忘れていた。もうすぐ春休みだし、きっと内容は反省会だろう。何を言うか考えておかなくては。

 こう見えても私は、この風香(ふうか)中学校の学級委員長だ。ちなみに、立候補ではなく推薦。全校生徒に押しつけられたようなものだ。しかも、その理由が「いつも本を読んでいてまじめそうだから」。そんないい加減な理由で決めてほしくない。もちろん、私もやる気がない。

 他の学校ではそれぞれのクラスに学級委員長がいるそうだが、この学校の学級委員は、生活委員、図書委員等と同じ仕組みになっている。つまり、学級委員長は学校で一人だけ。あとはそれぞれのクラスで二人ずつ学級委員になり、学級委員会のメンバーとなる。二人のうちどちらがリーダーとかは決めない。クラスで決めることも、整列も、代表の反省も、二人で平等に分けてやる。学級委員のリーダーは、学級委員長と副委員長の二人だけだ。その分、仕事も多い。

 

 「席に着け―」

総会で何を言おうと考えていたら、ゴリ男が教室に入ってきた。ゴリ男というのは、見た目がゴリラっぽいからという単純な理由から来ただけではない。名前が『五郎』なのだ。ゴリ男がこの学校に来たときにやった集会の自己紹介で、校長が舌を噛んで「ゴリオ先生」と呼んでしまった。見た目と語呂の良さを全校生徒が気に入り、次の日から皆「ゴリ男」と呼ぶようになった。

 「春休みまであと一週間をきったこの時期に、なんと転入生が二人も来たぞ~」

教室が、急に騒がしくなる。二人。なんだか、凄い覚えのある気がする。

「二人とも、海外からの留学生だ。入ってこい」

ドアから、物凄く見たことのある気がする二人が入ってきた。男子の方は、髪が紫色だ。女の子の方は…赤茶色のポニーテール。だれだっけ? ついさっきまで、一緒にいたような…

「イギリスから来た、クレバー・ワイズです」

「同じくイギリスから来た、ライダー・ナイトです」

思わず突っ込みを入れたく名前。じゃなくて、クレバー!? クレバーが、制服を着て…大きくなってる!?

「は!?」

いけない、心の叫びが出てしまったのか。と思ったら、その声の主は優希だった。軽く腰を浮かせ、ライダーを指さし、口をパクパクさせている。ゴリ男がそんな優希を見て、ぶっとい眉毛の間に3本ぐらい皺をよせた。

「おい、鈴谷なにHR中に立ってるんだ。さっさと座れ。あと、人を指さすんじゃない」

いつもよりも静かだ。もしかして、転入生の好感を得ようとしてるのかな?

「あ~先生、彼は僕のチャット友達なんですよ。驚かそうと思って」

ライダーが、優希のことをかばった。思ってたよりもいいやつっぽい。そう言えば、声聞くの初めてだな。声の高さは…アルトぐらいか。若々しい。って、私はおばあちゃんか!?

「そおか、まあいい。クレバーさんの席は早瀬の後ろ、ライダー君の席は鈴谷の前だ。二人とも、手挙げて」

私は、手をあげた。なんて都合のいい席なのだろう。ていうか、「クレバーさん、ライダーさん」って、なに二人とも名前で呼んでるの。もしかして外国名の順序をしらないのか?


 「なんでクレバーとライダーが学校に通えてるのよ。あなたたちって、国籍あるの!?」

私は昼休みに、クレバー、ライダー、優希の三人を引きずって屋上へ行った。ちなみに、生徒総会はいつも昼休み終了一五分前には終わる。

「国籍はありませんよ」

「だって俺ら作られたもんだぜ?」

クレバーとライダーが答えた。キョトンとしている。

「じゃあ、なんで学校に通えてるのよ。身分証明書は!?」

「そんなもん、力がなんとかしてくれるし」

そういえば、クレバーたちには謎の力が多い。そういえば、クレバーの意思疎通(テレパシー)以外の六つの力ってなんだろうか。その力が使われているのかも。

 第2章へ入りました。第1章では設定ばかり書いてましたが、やっと詳しい話に入っていけます。

 題名の通り、第2章では6つの力と、新しく出てくるキーワードの「石」が重要になってきます。

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