集合。
待ちに待った、土曜日となった。
お母さんには、「友達の家で勉強会をする」と言っておいた。友達には口裏を合わせてもらってる。
かばんには、本と、なぜかクレバーに持っていけと言われたナイフ、あとカメラとメモ帳とペン。そして絶対に必要な、財布を入れた。
クレバーには「夜の九時までにつけば十分」と言われたが、もし遅れたら大変だし、行きたい店もあったので、早めに一時に家を出た。
私の家は、千葉県にある。「街」と呼ぶには、ちょっと田んぼの多すぎる場所だ。でも、東京にはまあまあ近い。たしか、快速で約一時間じゃなかったっけ?でも快速は高いので、私は乗り継いでいくことにした。中学生のこづかいでは、それでも重い負担となる。
お昼の一時にしたのには、他にも理由がある。ぎりぎりにつけばいいや。なんて考えて家を出ると、ラッシュアワーで大変なことになってしまうからだ。前に、こけてしまってそのまま立ち上がれなかったこともあった。
東京には、三時についた。やっぱり時間があまったので、私は大型本屋へ行った。渋谷とか原宿とかで買い物する方が中学生の女の子らしいかもしれないが、友達が一緒に来てるわけではないし、東京には古本屋街で有名なところもあったので、そっちの方が気になった。
時間はあっと過ぎ、七時となった。私はマックで軽食をとり、東京タワーへと向かった。そして、展望台までいった。
昨日クレバーは、
『八時三〇分になると人がいなくなる』
と言っていた。あと、
『その時に残った五人が、私の仲間……いや、仲間を持ってる人たちだ』
とも言っていた。
だけど、私はそんなに気が長くはなかった。タワーについたのは八時一〇分。一人でくるにしては詰まんないところだし。私は暇つぶしになるようなものを持ってきてはいなかったし、クレバーとおしゃべりをするには、人が多すぎた。
だから、一人ひとり、そっと、タワーの中にいる人の顔をのぞいた。そして、驚いたことに幼馴染の優希を見つけた。
「ゆ、優希!?」
優希は、カメラで写真を撮ってるところだった。私の声に驚いたのか、フラッシュを、自分の顔に向けてやってしまった。そのせいで目がくらんだのか、転んで、近くにいたカップルの間に割りいってしまった。
「なにすんだよ、あぁ!?」
「す、すみません……」
優希は情けない声を出しながら、あわてて起き上がり、腰をかがめたまま私のほうへ近づいてきた。
「な、なんでお前がここにいるんだよ? 友達と来たのか?」
私は笑いながら、
「東京タワーは友達と来るような場所じゃあないでしょ?」
といった。
「・・・そんなに笑うなよ・・・。」
「はははっごめんごめん!! てか、それは私のセリフだよ。なんでこんなところにいるの?」
「えっと……待ち合わせ!! てかおまえは!!?」
「うん。私も待ち合わせ!!」
そう話してるうちに、ふと、優希のしているリストバンドが目に入った。
「ねえ……そのリストバンド、買ったの?」
「え……あ、ああ、そうだよ。この間、買ったんだ」
「ふうん……」
なぜか、私は優希のしているリストバンドが気になってしょうがなかった。
八時二九分になった。だいぶ周りの人は減ってきて、残ってるのは私と優希を合わせて一〇人となった。
「ねえ、なんでまだいるのさ」
「は、まだ待ち合わせの人が来てないからだよ!!」
ちょっと、イライラしてきた。さっきまでいた人たちも、だんだんと出て行って、今では六人しかいない。
私の携帯が鳴った。アラームを、設定していたのだ。びっくりしてあたりを見回すと、全員で五人になっていた。
「え……どういうこと!?」
驚いてる私に、周りの人たちが近づいてきた。
「こんばんは。もしかしてあなたは、こういう模様の入った物を持っていますか」
そう言って見せてきたのは、一つの懐中時計だった。ふたに、あの絵が描いてある。
「え、あはい。持っています」
私はそう言って。かばんの中から本を取り出した。
「えっ、ちょ、なんでルカがそれ持ってるんだよ!!?」
優希が、そう言ってきた。
「そういう優希も、なんでまだいるの?」
「俺も、持ってるんだよ。模様の入ったやつ!!」
そう言って、優希はリストバンドを見せてきた。たしかに、絵が刺繍になって入っていた。
「え、ぇえ!?」
私は、悲鳴のようにも聞こえる大声を出した。他の4人が、さらに不思議な顔をして近づいてくる。
「どうしたの? なにかあった?」
1人の、きれいな髪をしたお姉さんが聞いてきた。すると、さっき私に話しかけてきた懐中時計を持っているお兄さんが、お姉さんに説明した。
「へー、すごいわね、それって。」
お姉さんは、目を光らせて私と優希を見た。
「やっぱりそれって、赤いい・・・」
「はい、じゃあまず自己紹介からしようか。」
お姉さんの話を遮って、懐中時計の人が話を進めようとした。おお、このお兄さん結構頼りになりそう。
「じゃあ、まずは自己紹介をしようか。」
「俺の名前は、速水茂。今、一九歳だ。」
そう最初に言ったのは、首から、紫色のきれいな、あの模様の入った長いネックレスをかけている、身長の高いお兄さんだった。髪を茶色に染めている。ちょっとかっこいいなと思った。
「私の名前は、田野口未来。今ちょうど二〇歳。」
次に、さっき話しかけてきたお姉さんが言った。このお姉さん、見た目ふんわりしていてかわいいんだけど、性格結構強そうな気がする。口調が、けっこうはきはきしてるのだ。
「えっと、僕の名前は桜木賢人。今、一六歳」
これは、あの懐中時計のお兄さんだ。メガネをかけている。髪が薄茶で、話しかけやすそうな雰囲気が漂っている。
「俺の名前は、鈴谷優希。今、一四歳」
「私は、早瀬ルカ。同じく一四歳」
私も優希も、自己紹介をした。そして、あれ、と思った。
「あれ……これだけですか? 全員で六人って聞いたんですけど。」
速水さん、田野口さん、桜木さん、そして優希と私。これだと、一人足りない。
「あれ、ほんとだ」
私もみんなも、あたりを見回した。そして、一人を除いて、もう一人を見つけることができた。
「ちょ……速水さん、背中……」
なんと、速水さんの背中に、金髪の女の子がしがみついていた。それなのに、速水さんは全く気付かなかった。速水さんは、びっくりして背中に手をまわした。そして、女の子をつかみ、そのまま床へおろした。女の子は寝ていたらしく、目をしばしばさせている。青い目だ。とてもちっちゃい。一〇〇センチいってるかいってないかくらいだ。服のそでに、透明な、模様の入ったブローチを付けていた。
「お名前は?」
桜木さんが、女の子に話しかけた。
「藤野エミリです」
女の子は、目をしばしばさせながら答えた。その動作が、とてもかわいい。
自己紹介が終わったので、次の段階へ入ろうとした。
今回でやっと、仲間をそろえることができました。相変わらず文章能力が低くて面白くないかもしれませんが、感想を書いていただければ嬉しいです。