惑星加工ファクトリー
朝から晩まで終わることなく、24時間365日フル稼働で次から次へと新たな惑星を作成している会社『プラネットファクトリー』という工場が存在する。
『空想力』という無限の力を使って神の頭脳から生み出した惑星を『原物』とし、それをもとにコピーしたテスト作品の惑星を生産していく。
生産されていく仮惑星等はベルとコンベアでチェックされていき、従業員が一つ一つ厳しい目で査定する。
使い物にならない仮惑星はそこから弾かれ銀河の塵とされるので、『軌道』から外れた『小惑星』として銀河をさ迷う存在になる。
「新たに作成する予定の『ミライ』完成期限まで、後残り時間は僅かだ。
それまでに完成させないと、取り返しのつかない事になる」
ファクトリーのリーダーも惑星作成に取り掛かり、必死の形相で働き続けていた。
〈はい!〉
従業員一同、急ピッチで惑星『ミライ』の仕上がりに向けて全力を出している。
残り時間五分だ。
ベルとコンベアで流れる惑星の中で、一際眩い輝きを放つ惑星が皆の目に留まった。
(これだ!)
全員同じ考えを過らせる。
新たな惑星『ミライ』に選ぶ作品はこれしかない。
「惑星『ミライ』完成しました‼」
「よし!
従業員一同、用意は良いか?」
〈準備万端です!〉
全員声を出した。
完成した惑星『ミライ』をファクトリーの窓から放つと、その場にいた者たちも窓を抜け出し惑星『ミライ』に飛び移った。
〈……!〉
その瞬間、今まで従業員たちがいた惑星はファクトリーごと消え去り、銀河の塵となったのだ。
「間に合いましたね」
「成功だな。
我々は新たなこの惑星『ミライ』で、今後もあらゆる惑星を作成しながら、同時に何年か先に消滅する『ミライ』に続く惑星『ミライ』をも生み出していくぞ」
〈はい!〉
惑星を作成する為、この『プラネットファクトリー』の稼働は動き続ける。
惑星『ミライ』を終わることなく、生産していく事が、このファクトリーの目的だから。