ハットトリック戦争 時計塔を巡る攻防
背景
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・経済問題
N大陸中央部に隣接するA国とB国は長年、経済的な問題を抱えていた。A国には豊富な地下資源が眠っており、経済格差が問題になっていた。
そんな中、B国にサッカーの英雄サジュルケ・ンマカラサが登場する。
彼は連戦ハットトリックをきめ、B国では英雄として称えられる。
しかしながらA国の国民が彼を快く思うはずもなく、事件が起こってしまう。
経緯
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・暗殺未遂
A国との試合の後、サジュルケがバスに乗り込もうとした際、ロケットランチャーが撃ち込まれる事件が発生。サジュルケは額にやけどを負ってしまう。
帰国した彼は「汚い花火だった」と余裕を見せるが、国民は冷静でいられなかった。
B国はその日のうちに宣戦を布告する。
・開戦
国境付近に集結したB国軍が集結したのを見てA国も国防軍を出動させた。
両国兵士たちは国境を挟んでにらみ合い、鬨の声を上げるなど一触即発の空気が漂う。
・仲裁
国際連盟は停戦を呼び掛けるも、両国民は相手国をディスるラップを動画サイトに投稿するなど、落ち着くどころかヒートアップしていった。
そんな中サジュルケが相手国の選手と肩を組んで仲良く映る写真をSNSに投稿。
3億いいねを稼ぎ世界的な注目を集める。
・スキャンダル
A国大統領がB国に住む愛人に送るメールを間違って妻に送ったことでスキャンダルが発覚。
またB国の大統領(♂)はA国の将軍(♂)と深い関係にあると週刊誌が写真付きで暴露。
両国は大混乱に陥り、戦争どころではなくなってしまった。
・停戦
否応なく停戦を迫られる両国ではあったが、国民は納得しない。
そこで国境付近にある建造物を賭けてサッカーの試合を行うことになった。
A国は時計塔、B国は教会を賭けてサッカーの試合を開始。
サジュルケがハットトリックをきめて勝利。
時計塔を含めた領土がB国の所有となる。
その後
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両国は一年ごとに時計塔を巡って試合を開催するようになった。
都合よく交互に勝ったり負けたりするので、八百長ではとの見方もある。
サジュルケはのちに、この出来事を振り返ってこのような言葉を残した。
「憎しみの感情は別の形に変えることができる。
私たちが悲劇的な結末を回避できたのも、サッカーのおかげだ。
世界のみんな、ありがとう」
このつぶやきは10億いいねを達成。
その数か月後、工作による9億いいねの水増しが明らかになった。
人の承認欲求に際限はない。