始まりの始まり
……ねえ?
聞こえますか?
私の声が……、聞こえますか?
あなたは、女の子ですか? それとも男の子ですか?
私より、年上ですか? それとも、年下ですか?
今は朝ですか? それとも、夜ですか?
悩みはありますか?
泣きたくなることはありますか?
幸せな思い出はありますか?
忘れたいことは、ありますか?
……死んでしまいたいほど忘れたい、恋の悩みはありますか?
いま、朝の五時七分です。
空が明るくなり始めました。
明け方の空は、とても優しい色をしています。
そしてとても静かです。
私はまだ寝ていません。
ベッドに横になりながら、あなたに話しかけています。
これからお話する物語は、私が拾った一冊の小さなノートがきっかけになっています。
そのノートには、あるおまじないのやり方が書いてありました。
けれど今は、そのノートのお話はしません。
これから私のするお話の中に、あなたはそのノートの話を見つけるかも知れません。
見つけないかもしれません。
そしてこのお話は、ハッピーエンドになるかもしれません。
とてもとても悲しいお話になるかもしれません。
あるいは……。
あなたは「あの時こうすればよかった」とか、「あの時ああすればどうなっていただろう?」なんて思うこと、ありませんか?
このお話は、そんな「もしあの時……」をあなたに選んで欲しいのです。
このお話の中で、あなたが私になって、どちらかを選んで欲しいのです。
それでは……、まず最初の選択です。
どちらか選んで、そちらの方に進んでくださいね?
◇ あなたなら、どうしますか? ◇
このお話を読んでみる。 1へ進んでください。
ここでやめておく。 14へ進んでください。