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435〈遠距離戦〉


 まずは、せっかく作ってくれた遮蔽物を活用させてもらうべく、遮蔽物に隠れながら近づく。

 相手からこちらが見えない限り、俺がどこにいるかは分からないはずだ。


「それで隠れたつもりかい?

 【おしゃべり鴉(フギンとムニン)】」


 俺の頭上を五杯博士が創り出した二羽の鴉がけたたましく舞う。


「わざわざ、ここに誘い出したのは僕だよ?

 【死への誘いヴァルキリージャベリン】!」


 カァカァ! と無く鴉の間を縫うように、五杯博士のリアルスキルによって具現化した投槍が飛んでくる。


「くそっ! ゐーっ!〈【逃げ足(ステップバック)】〉」


 十メートルの距離を瞬時に逃げるスキルだが、何も考えずに使ったのは失敗だった。

 遮蔽物としてせり上がった鉄柱におもいきり身体をぶつけてしまう。


 くそ、狭いな!


 直上から飛んで来た投槍は避けられたが、自分の鉄柱タックルダメージがなかなかに痛い。

 今の俺なら、痛みを無視することもできるが、わざと痛みを感じておく。

 痛みは信号だからだ。

 痛みを感じることで、自分がまだ、どの程度までなら動けるかを測ることができる。


 現実ではHPポーションが無い分、身体の損傷に気をつけなければならない。


 鴉はしつこく頭上を舞う。


 一度、鴉に攻撃してみるが、鴉にはダメージが入らない。


 厄介だ。五杯博士からは俺の場所が分かるが、俺からは五杯博士の場所が分からない。

 俺は素早く思念でガチャ魂を入れ換える。


「ゐーっ!〈【炎の翼(ファイアバード)】【氷の翼(アイスバード)】〉」


 俺は炎と氷の翼を出して、空を翔ける。

 鴉たちは実体がないように感じるが、スピードは俺と同程度だ。

 『雷の翼(サンダーバード)』なら引き離せるが、位置を知らせるだけの存在なら、空に上がった時点で意味がなくなる。

 炎と氷の翼は、位置を知らせるまでもなく目立つからな。


 上から眺めて、五杯博士を見つける。


「ゐーっ!〈【氷の梟(アイスオウル)】!〉」


 俺の氷の翼から『氷の梟』が飛び出す。

 当たれば『氷結』の状態異常とダメージを与えるホーミング能力付きの攻撃だ。


「【叡智の槍(グングニール)】」


 五杯博士が必殺のスキル武器を作成、『氷の梟』を打ち落とす。


 全てを貫く必中の槍だ。

 小手調べは終わりとでも言いたいのだろうか。


「ゐーっ!〈【狼人間(ワーウルフ)】【雷瞬(ラビリニア)】〉」


 どうせ当たるのならばと、俺は接近戦を挑むことにした。

 急降下から、雷撃とそれに沿う移動、その瞬間にさらに思念でガチャ魂を交換する。


「くっ……」


 一瞬の『ショック状態』による状態異常に乗って、膝蹴りをかます。


「ゐーっ!〈おらあっ!〉」


 最新式アーマーのせいで大したダメージは見込めないが、仰け反らせることに成功する。


 お互いに現状は五分の勝負といったところか。

 まだやれる。


 俺は第二ラウンドに備えて、グッと拳に力を溜めるのだった。



本日、母、無事退院です。

心配して下さった皆様、ありがとうございます!

ただ、これから介護時間が更に増えることになるので、執筆ペースは取り戻せそうにないです。申し訳ない。

時間が前後しちゃうかも、ですが、ここまで毎日投稿を続けたので、最後まで行きたいと思っております。

何卒、ついてきて頂ければ幸いですm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[一言] もちろん最後まで付いて行きますよ! 退院おめでとうございます!
[一言] 退院おめでとうございます!
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