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 にこぱんちと土いじりを再開する。

 にこぱんちとしては、本気で畑仕事をやるつもりらしい。

 なので、俺もちゃんとやり方を教えながら、チャットでSIZUたちに連絡を取った。


 言われたことをひと通り説明したがSIZUたちの返事は芳しくない。

 当然ながら、『マギクラウン』に対する調べは進めていたのだが、にこぱんちの方が情報を持っているような状態だった。


 にこぱんちは軍内部に『マギクラウン』に編入を余儀なくされた知人などから直接的に話を聞いているから、というのがありそうだ。


 ただ、それにしても証拠を掴めている訳ではなく、噂レベルの話に過ぎない。


 それが分かるのは、少し後、現実でのことだった。




 とある休日。

 やはり、浮遊都市『ユミル』に乗り込むことになった。


 集められた俺たちはおじいちゃん先生の病院地下の『グレイキャンパス』基地でブリーフィングを行っている。


「今回の目的は前回と同じ、囚われの人々の救出になる」


 おじいちゃん先生が説明してくれる。


「どぶマウスくんによれば、今までの流れからして、他国のスパイ活動や我々の動きから、国内ではなく海上の方が守りやすいと踏んだようだ。

 今、続々と囚われの人々が集められているような動きが見えるという話だ。

 作戦の説明は会長くんに頼む」


 会長が画面に絵を出して、説明を引き継いだ。


「おけおけですよーん。

 はい。これユミルね。前より開発が進んで、浮遊都市って感じが増してるよね。

 まあ、基本的な作りは前回、みんな勉強してもらった通り、そこは変わらない。

 まあ、今更、変えられないともいう。

 ただ、気をつけて欲しいのは、前よりも外側の工事が進んだせいで、入口が見つけづらくなってるから注意が必要だね。

 位置は変わってないから、そこは前回のお勉強が試されるとこだね。

 それで、今回は海上に仲間を待機させます。

 仲間ってのは今まで助けてきたリアルスキル持ちの中で、役に立ちたいって言ってくれた人たちね。

 彼らはステルスボートで待機してて、君たちが発信機の電源を入れたら、そこまで救助に行ってくれることになってるよ。

 貨物ドローンだと乗れる人数に限りがあるし、助けるべき人はたくさんいる。

 なんで、助けたら、こことこことこれ。

 崖の中腹から出られる場所が結構ある。

 正規ルートは貨物の搬入口だけど、他にも排水処理施設直通とか、全天候ドームの排気口とか、覚えてるかなー?

 これらも脱出口として見ておいた方がいい。

 最悪、海に出られさえすれば助けてあげられる可能性はあるんだにゃー。

 さて、一番の難問についてだね。

 完全に例の洗脳。情動操作が終わっている子たち。

 今回は諦めます。

 残念だけど、先生に頼んでおいたカウンター薬は、充分な成果を得られてない。

 無理な子たちは、今回も敵として戦うことになりそうだね。

 まあ、見つからない、戦わないが一番だけど、コレ。

 もし、出会ってしまったら、強力な麻酔薬で眠らせるしかないね。

 現代科学の粋ともいえる、特殊鎧は貫通できないけど、関節部狙いならいけるはず。

 専用の銃はかなり反動あるから気をつけるんだぞ!

 ん〜、そんなとこかな?」


 会長が首を捻った。


 残るのはおじいちゃん先生と会長の二人だけ、それも協力してくれるステルスボートの人たちを収容できる大型母船での待機となる。


 侵入は前回と同じく貨物ドローンを使う。


 助ける人数が多くなることを見越して、予め作戦ではバラバラになる予定だ。

 全員で一丸となって移動するのは、目立ちすぎて不可能だと、前回の作戦で学んだ。


 後は相変わらず、俺たちの超能力頼りになる。


 問題は前回よりもセキュリティが厳しくなっていることだろうか。


 全身防護服に身を包んで、俺たちは基地を出発した。




 ドローンが見ている景色が貨物室に映し出されている。

 『ユミル』上空。


「え、これって……」


 SIZUが思わず、声に出していた。

 俺たちは顔を見合わせた。


 そこに広がる光景は、まだ未完成ではあるものの『シティエリア』そのものだったからである。



ようやく、ここまで来られました。

応援してくださっている皆さんに感謝を!

まだ終わりませんが、引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m


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