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 久しぶりにプライベート空間に来た気がする。

 アイテム補充などは『りばりば』内の装備部で済ませてしまうことが多かったからな。

 NPCの街も久しぶりだ。


 『りばりば』基地内のNPCの街は、復興も終わって、平和そのものという感じだ。

 郊外では家が新築されていて、NPCが増えているのが分かる。


 金山羊のミルクを直売したり、野菜を売ったり、これらはプレイヤー、NPCの別なく売っている。

 おかげでウチの農場、牧場前の通りは凄い賑わいになっている。

 特に問題ないことを確認したら、街をぶらつく。

 途中、クロホシに見つかって、火を点けて吸うタイプの薬を大量購入させられたが、他は至って平和だ。


 街中で顔見知りの兵士NPCと会って敬礼されるのは、俺が一応、爵位持ちということになっているからだし、知らないプレイヤーから拝まれるのも慣れた。


 街には新しい店なんかが増えていて、それらはゲーム的に意味はない見た目だけの商品だったりするが、そういう余裕が『りばりば』の街にあるのだと思うと、嬉しくなる。


 ミドリカの店でポーションやらエナドリなどを買い揃えて、グリンダたち子供NPCが遊ぶ様を眺める。


 平和だ。


 噂では、次のレギオンレベルアップで学校や神殿、冒険者の店なんかが解放されるとか言われている。

 これはレギオンレベル一位を行く『ガイア帝国』からの情報なので間違いないだろう。

 街中でのクエストが充実するらしい。


 実装予定の『交錯する光闇の宮』も気になるが、『作戦行動』に出てヒーローと戦うのもいい。

 そういえば、その後『マギクラウン』はどうなったのだろう。

 にこぱんち、尾上さんの話からすると、『マギクラウン』がBグループのレギオンという可能性が高いが、静乃からは話が出ていない。


 イベントで忙しかったのもあって、調べが進んでいないのだろう。


 仲間たちに声を掛けて、何か知らないか聞いてみるか。


 俺はプライベート空間に戻って、いつものごとくリラックスタイムに入っているフレンドたちに聞いてみることにした。


「マギクラウン? 知らないミザ」「新興勢力って聞いてるピロ。どんどん大きくなっていってるヒーローレギオンで、ウチからも何人か引き抜かれたって聞いたピロ」「たしかマンジクロイツェルとスカウト合戦してるとかって聞きましたねー。リアルが関係しているとかなんとか……まあ、噂ですけどねー」


 『マンジクロイツェル』は、にこぱんちが作った怪人レギオンだ。

 やはり、『マギクラウン』はBグループのレギオンで確定な気がする。

 なんとかならないものか……。


 そう思っていると、ワールドアナウンスが流れる。


───『マギクラウン』と『ルート666』が戦争状態に入りました───


 は?


 『ルート666』は中規模怪人レギオンの代表的レギオンだ。

 戦争状態ということはラグナロクイベントの前哨戦が始まったことを意味する。


「最近、ラグナロクイベント多いピロ……」


 ラグナロクイベントまで行くと、どちらかのレギオンは潰れることになる。

 『りばりば』は当然、『ルート666』に協力することになるだろう。


 『マギクラウン』を潰すことが、Bグループの暗躍を止めることに直結するかは分からないが、出方を見るにはいいかもしれない。


 俺は静かに闘志を燃やすのだった。



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