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314〈トラック襲撃作戦〉


 おじいちゃん先生の秘密基地で準備してもらった装備を確認する。

 作戦としてはこうだ。


 深夜、カムフラージュされた軍のトラックに載せられ捕まった超能力者たちが山奥の人気のない研究所へと移送される。

 先日の『スターレジェンズ』による襲撃で、都会の高層ビルはバレているという判断がされたようだ。


 人気のない研究所は要塞化が進められていて、収容されてしまえば救出はかなり困難になる。

 そこで俺たちが襲うのはトラックの方だ。

 研究所に向かう途中、トンネルがある。

 そのトンネル内で通信妨害装置と車止めを使用。

 スタンガンとリアルスキルで兵士を無力化、超能力者たちを救出する作戦だ。


「これが専用のゴム弾使用タイプのアサルトライフルで射程は二十メートル。なるべく顔と胴体は避けるが吉かにゃー。装弾十三発でセミオートのみ。

 当たり所悪いと死んじゃうから、取り扱い注意ね。

 それから、最新式の超指向性サウンドガンは爆音で相手の動きを止めるやつ。

 こっちは催涙ガスが吹き出す投げ物。ピンを抜いて針つきの頭を押し込む。二秒後にガスが出るよん。

 あとはスタンバトン。

 専用絶縁手袋を忘れないよーに。

 これ、ルート不明で手に入れるのが大変だったやつ。

 派手にやらかして来てちょ!」


 会長が冗談めかして言う。


 それはつまり、派手にやらかさないと助けることが困難だろうということだった。


 白せんべいが監視カメラを繋いで、トラックの行動を追っている。


「一応、移動ルートはほとんどフォローできてる。

 タイミングの指示はこっちでするよ」


 白せんべいは今回バックアップだ。

 行動部隊は俺、SIZU、どぶマウス、まりもっこり、アパパルパパ、響也、山田の七名。


 移動は近くまではトラック。それから道無き道を進んでトンネル内部で準備することになる。


 装備の確認次第、俺たちはトラックで移動した。

 MP回復のプチトマトは用意してある。

 準備は完璧だ。


 リアルスキルの発現が進んだ、どぶマウス、まりもっこり、アパパルパパ、響也は肉体系のパッシブスキルが使えるようになっていて、重い荷物も難なく運べている。

 肉体系パッシブスキルがほとんどない俺やSIZU、そこまでスキル発現が進んでいない山田は自分たちが使う武器くらいしか持っていない。


 離れた別ルート上にトラックを停めた俺たちは、山の中を進んでいく。


 特殊な暗号通信無線で白せんべいの声が聞こえる。


「今、無事に製薬会社のトラックが出た。軍用ジープが合流して、前後を護衛する形で走っている。

 到着予想はあと一時間ってところだ」


「了解。引き続き、監視よろしく!」


 SIZUが答えて、俺たちは先を急いだ。

 トンネル脇からひょっこり顔を覗かせて、周辺を確認。

 さすがに、人も車も見当たらない。


「トンネルに侵入するよ」


「この調子ならあと三十分程度だ。周辺に車も見当たらない。

 通信妨害装置を動かすとこちらの通信も不能になる、注意してくれ」


「了解!」


 俺たちはトンネルの乏しい明かりを頼りに、中へと進んだ。

 全長一キロ近い、曲がりくねった長いトンネルだ。


 真っ黒な装備で影の中を身を屈めて歩くと、ヘッドライトに照らされても、簡単には分からないだろう。

 古いトンネルなのか、壁には経年による染みがあり、少し薄気味悪い。


 直線ではなく、少し曲がりくねった部分に俺たちは通信妨害装置と車止めの罠を設置する。

 車止めの罠はボタンひとつで約二秒で拡がるタイプのものだ。

 車が見えてから動かせばいい。


「配置についたよ」


 車の停止に合わせて四方から攻撃できるように、俺たちは思い思いの場所に身を潜める。


「あれ? 配置についたよ……ねえ、グレちゃん、もう通信妨害装置動かしてる?」


「いや、まだだぞ」


「白さんと繋がらないんだけど?」


「トンネルだからか?」


 異変はそこまで迫っていたのだった。



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