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28〈はじめてのサクヤ〉

今日から一話更新なんだ、ごめん。

 ログインする。

 俺ももうLv20か。

 今さら初心者講習もないよな、とは思う。

 だが、レオナは気にしていたようだし、一応、レオナと煮込み、ムックの3人にはチャットしておこう。


グレン:今ログインしたんだが、誰か手が空いてるやついるか? 


煮込み:空いてるシザ! 


レオナ:大丈夫ですよ! 


ムック:すいません。今、他の人たちと別フィールドでLv上げしてます。


グレン:一応、Lv20まで上げて、今さら初心者講習もないとは思うんだが、できれば少し手伝ってもらいたいのと、新しいスキルを手に入れたので、幾つか聞きたいことがあるんだが。


レオナ:いいですよ。


煮込み:もうLv20!? 早すぎないシザ? 


ムック:ちょっと普通じゃない速度ですね。


グレン:いや、昼にボス戦に巻き込まれてな。それをなんとか生き残ったら、がっつりLvが上がった。


ムック:もしかして『森の主・狂えるエント』戦ですか? だとしたら、アレの貢献度3位ってグレンさん? 


煮込み:え、昼間にボス戦あったシザ? 行きたかったシザ……。


レオナ:ええっ!? 貢献度3位!? 


グレン:ああ、レオナに貰った『毒素弾』のおかげだな。


レオナ:今は大部屋ですか? すぐ行きますから詳しくは会って話しましょう! 


煮込み:面白くなってきたシザ! 私も行くシザ! 


ムック:うわー、話聞きたかった……。後で僕にも聞かせて下さいね! 




「お待たせしましたか? 」


 レオナが少し興奮したように頬を上気させてやってきた。

 早いな。


 俺は、レオナが来たから詳しい話はまた、とムックに返してチャット画面を閉じる。


「ゐーっ! 〈いや、大丈夫だ〉」


「ボス戦、巻き込まれたんですか? 」


「ゐーっ! 〈ああ、気付いたら始まってたな〉」


 レオナと話し始めたばかりだが、すぐ煮込みも合流した。


「お待たせシザ! 貢献度3位おめでとうシザ! 」


「ゐーっ! 〈ああ、ありがとう! 〉」


「あれ? 微妙に語感が変わってるシザ? 」


「ゐーっ! 〈ああ、そのこともあって聞きたいことがあるんだ〉」


 俺はボス戦の話、レオナから貰った特殊弾の使用感、ボス戦報酬と新アーツ、新スキルについてを説明する。


「また、トリッキーな新アーツが出ましたね……ダークピクシーの新アーツは良ければ情報サイトに載せてもいいですか? もちろん、ひと月くらい寝かせてからにしますけど…… 」


 レオナによれば、✩5、✩4の情報は基本的に伏せるが、✩3までのスキル、アーツ情報は新規組やリビルド用にまとめサイトに投稿したいらしいので、それは了承しておく。

 あれこれとレオナには世話になっているしな。


「……うむむ、もしかしてグレンはリアルラック持ちかもしれないシザ」


「ゐーっ? 〈急にどうした? 〉」


「いや、サバクツノトカゲとか確かに✩1なんだけど、滅多に出ないシザ。

 出ても使う人がいないってもあるけどシザ…… 」


 ああ、代価がHPの3分の1とか重すぎるもんな。

 でも、そもそもガチャ魂が選べるほどないからな。


「そうですね。【言語〈古代〉】スキルなんて、私も聞いたことのないスキルですし…… 」


 そうか、レオナたちも【言語〈古代〉】スキルの情報は持っていないのか……地道に伸ばしてみるしかないな。


「それで、手伝って欲しいことというのは? 」


「ゐーっ! 〈ああ、『破滅の森の砦』の砦の方に挑んでみたくてな。正直、一人だと進める気がしないだろ〉」


 森の中では、敵を選んで戦うという方法が使えるからいいが、砦内の迷宮部分で一体だけのモンスターと選択的に戦うのは無理だ。

 仲間がいないと厳しい。


「おお、20レベルなら適正くらいシザ! 」


「それはそうですけど、ボス戦やるなら、最低でもあと一人は欲しいですね」


「あ、それならパーティー募集とクエストについて説明するシザ! 」


 そうして二人から説明を貰ったのが、ムックからも教えて貰ったクエストだ。

 大部屋の下、並んでいるNPCドールからクエストが貰える。

 さらに、パーティー募集もここらしい。


 クエストは推奨レベルや推奨スキルがあり、条件を満たしていなくても受けるだけなら受けられる。

 期限付きのクエストというのもあるが、失敗しても特にリスクはない。


「持っている素材などあれば、クエストを受けてすぐ納品という形でのクリアもできますよ」


 ふむふむと、クエスト一覧を眺める。

 おお、薬草の納品とかあるな。

 いや、でも今ある薬草は畑に植える予定だしな。

 金には困ってないから、無理にやる必要はないか。

 後で畑もチェックしとかないとな。


「パーティー募集は、こちらから希望を書いて出すこともできるし、既に出ているもので条件が合うのを選ぶこともできるシザ!」


 煮込みに言われて、パーティー募集を眺める。

 ん? ちょうどいいのがあるな。


・パーティー募集

 空き:3~5人

 推奨レベル:20~

 『破滅の森の砦』攻略したいです!

 当方一人、Lv25、近接戦闘型、盾できます! 

 ───サクヤ───


「ゐーっ! 〈これとかいいんじゃないか? 〉」


「ぶっ……もしかして……サクヤちゃん!? 」


 レオナが変な顔をしていた。


「ゐーっ? 〈知り合いか? 〉」


「え、ええ、まあ……あ、でも悪い子じゃないから! ちょっと変わってるだけで! 」


 なんだか必至に弁明してるな。

 まあ、レオナが言うなら本当に悪い子じゃないんだろう。


「なんか裏がありそうな物言いシザ…… 」


「違う、違う……本当にちょっと変わった子ってだけよ。腕は確かだから、その点は間違いないわ! 」


「ゐーっ! 〈まあ、Lv25で近接担当だろ。バランスも良いから、1回組んでみてもいいんじゃないか? 〉」


「まあ、グレンがいいなら、私は問題ないシザ! 」


 俺はサクヤのパーティー募集に応募することにする。


 パーティー募集画面に触れると、そのままチャット画面が開くので、軽く会話する。

 こちらが【言語】スキルが使えないことと、Lv20ギリギリだと伝える。


サクヤ:ありがとうございます〜! 全て問題ないです! 本当に助かります! では、10分後に『幕間の扉』で! 


 話し方も普通だし、変わってるのか? 

 パーティー募集画面に触れた時点で、パーティーチャットというのが使える。

 まあ、これなら【言語】スキルなくてもある程度は問題ないか。

 いざとなったら頼もしい通訳が二人もいるしな。


 俺は一度、ロッカールームで荷物の整理を行って、使った分のアイテムを補充したら、『幕間の扉』へと向かうのだった。


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