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186 side︰グレン

前話、side︰ロミオの超あらすじ。

敵基地に攻め込んだ、青部隊。

ボス部屋手前の通路で『マギフレッシュ』と遭遇。

頭おかしいサイコパス系ヒーローだ。

青部隊では、この通路の突破は難しいようだった。


 スタートと同時に白の回廊になだれ込む。


「急げ、配置につけ!」「くそ、重機関銃壊されてるぞ!」「早く取り替えろ!」


 回廊戦はスタートから五分くらいが最大の勝負だと言える。

 敵より早く配置を済ませ、一瞬でも早く攻撃を開始する。

 先に動き始めれば、その分、余裕ができる。


 怪人である俺は、最前線から先を目指す。

 最初の五分はお互いに援護がない状態で、ヒーロー対怪人の激突が基本だ。


 『マギスター』側の扉が開いて、敵が飛び出してくる。


「列を揃えるぞコラ!」


 怪人たちは列を揃える。

 敵との距離があるうちは【天罰の雷(バニッシュサンダー)】を放つ。

 動く影に当たるが、全員ヒーローだ。


「ゐーんぐっ!〈くそ! 当たりを引いたか!〉」


 すでに『りばりば』基地内のルートは確定している。

 白の回廊に置かれている敵陣地の壁は電磁バリアではなく土嚢なことから、背水の陣なのは明らかだ。

 後はウチと同じで他のレギオンから借りを作りながらやっていくことになるのだろう。


 俺たちは蹂躙された。

 そもそも敵は白の回廊を守るつもりがなかった。

 この一戦に賭けていたらしい。

 ヒーローだらけだ。

 壁は必要ない。ヒーローが壁だからだ。


 ヒーローたちは強行突破して、嵐が過ぎ去るように俺たちの半分を始末して、『大部屋』へと突入した。


 俺が見たのはここまでだ。


───死亡───


ジョー︰侵入したのはミスリル、サファイア、ダイヤ、ゴールド、ゴクウ、ロクヤ、再生と思われるハルコン、シルバー……うおっ……


 おそらく、全てを伝えきる前にジョーはやられたらしい。


 それでも、俺にとって初見の名前がふたつ。

 『マギダイヤ』と『マギゴールド』。

 『マギスター』のヒーローを全員知るのは難しい。平日だけのヒーローだと特にだ。


 戻ってきた『謁見の間』には剣と鎧が飾ってある。

 大首領は黙して語らず、不安そうに黒いモヤが揺れることもない。


 俺は復活した。


「我が最後の砦よ……」


 復活した瞬間に大首領が話しかけて来る。


「ゐーんぐ?〈それ、俺か?〉」


「ああ、そうだ、我が最後の砦。

 頼みがある」


「ゐーんぐ?〈何だ、王様?〉」


「我が最強の剣になってくれ」


「ゐーんぐ?〈どういう意味だ?〉」


「今回のヒーロー大動員は、おそらく止めきれぬ。

 道が一本になってしまったからな。

 如何に最後の砦が強固でも、二本、三本と同時に放たれた矢は防げぬ。

 それならば、我が欲するは砦にあらず、剣なり。

 我が最強の剣となりて、我、死する前に敵を引き裂くべし!」


「ゐーんぐ?〈つまり、王様が倒される前に、敵の王を倒せって?〉」


「ああ、最強の剣には翼がある」


「ゐーんぐ?〈間に合うか賭けだぞ?〉」


「うむ。幹部会には我から話そう。タイムアタックだ。やってくれるか?」


 我らが大首領様は、俺にタイムアタックをやらせようと言うことらしい。

 しかも、狙いは敵のボスだ。


 隔壁を開けるのは、かなり危険な行為だが、それでもやれと言うなら、俺はやるしかない。

 なにしろ賭け皿に載せるのは、大首領の生命だ。


「ゐーんぐっ?〈命令か?〉」


「そうだ。これはリヴァース・リバース大首領としての命令だ!」


 俺は胸に手を当て、その手を斜め上へと突き出した。


「ゐーんぐっ!」


 また随分と重いものを背負わせてくれるな、この黒モヤは。

 だが、命の令とあらば、仕方がない。

 俺は変身と同時に、駆け出した。



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― 新着の感想 ―
[一言] 大首領もハラを括ったか。 しかしマギスター側もだいぶカツカツな筈なのに、中々に押されてるなぁ… 相当形振り構っていられないご様子。 てっきり今回はフレッシュゴーレム…もといマギフレッシュを…
[一言] 「敵の頭の玉、取ってこいや!」とウチの頭が言った。 「我が最強の剣!」とかかっこいい事言われたけど はえー話が鉄砲玉かい! 次回「グレンがやらねば誰がやる」 お楽しみに!
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