とある村での魔物騒動<後編>
私の文章って文と文の繋がりがおかしいんですよね。
「最近暑いですね、私は花粉症です。」
みたいな文になってしまう。
スケイルワームの巨大な牙が俺を貫こうとしている、あの牙に貫かれれば俺は間違いなく死ぬだろう。
だが、今の状況では俺はあの牙から逃げることは出来ない。
かといって、俺にはスケイルワームを一撃で殺せるほどの力があるわけでもない。
このままだと俺は死ぬだろう・・・。
このままだと、な。
当然だが俺にはこの状況を打破する策がある。
さらに言えばこの策が成功すれば一転攻勢、こちらが一気に優位に立てるほどの策だ。
何もこいつの牙を避けるのに俺がわざわざ逃げる必要はない。
じゃあどうするか、相手の攻撃の軌道をそらせばいい。
ブルーさんの即死魔法がハッタリだったと聞いたときは相当焦ったが、もはや問題はない。今現在順調に俺の策は進行している、結果は同じなのだ。
こいつの攻撃がブレスであったならこの策を成功させることはかなり難しかったと思う、だがこいつは俺を噛み殺そうとしている、この状況ではまるで失敗する要素がしないのだ。
死の直前、この遅く感じる時の流れの中にも俺の策は進行している。
腰の収納に手をかけ、目当てのものを引きずり出す。
そして、ソレをスケイルワームの顔面にたたきつけた。
ペシャ、という殻が割れる音とともに緑色の粘着性物質が流れ出る。
「なかなかイイ臭いだろ?俺でも死ぬかと思うほどの臭いだ。嗅覚がヒジョーに強いお前には少しばかりキツイんじゃあないか?」
どギツイ激臭が漂い始め、スケイルワームが悲鳴を上げた。
村長からもらった謎の物体こと、ゴブリンのアレ(保存食)。こんなところで役に立つとはな。
このキツイ魔水の中でも正確に俺を察知できるほどの強力な嗅覚、それを逆手に取った策というわけだ。
「ほう、どうやら策は立てていたようですね、見直しましたよ。」
ブルーさんが話しかけてきた。
だけどな、こんな危険を冒す羽目になったのは大体お前のせいなんだぞ。
『黙れ。誰のせいでわざわざこんな危険なことをしたと思ってるんだ?お前のせいだぞ、わかってんのか?』
『あなたがしっかりと私に確認しなかったからこんなことになってるんですよ?私のせいじゃないです。ところで何故あの魔物が嗅覚が鋭いってわかったんですか?』
『・・・言い過ぎた、わざわざ俺に気を使わなくてもいいぞ。』
『あなたに使う”気”なんてものはありません。質問を変えましょうか、どうやってあの魔物は嗅覚が鋭いという結論にたどり着いたのかを知りたいのです。』
『・・・そうかい、答え合わせってわけね。まず一番大事なのはあいつがどうやって俺を認識しているのかだが、目に頼ってないのは間違いないよな、見た感じ無さそうだしそもそも地中で生活するうえでは扱いにくいだろうし。そう考えると残るは聴覚と嗅覚だが、俺が魔水に飛び込んだ時に大きな音がしただろ?そん時こいつはその音に対して一切の反応を見せなかった。そう考えると残るは一つ、嗅覚だけというわけだ。合ってるよな?』
『おおむね同じ意見ですね。まぁ、ほかにも生物には物体を認識する方法はあるのですが、魔水の中にいる間スケイルワームがこちらに反応する様子を見せなかったというのが嗅覚に頼っているという一番の証拠ですね。あのキツイ匂いの中では、他の匂いを嗅ぎ分けることが出来なかったのでしょう。』
『あぁ、言われてみれば。さすがブルーさんだ。』
『一々褒めなくて結構です、それにまだ安心するには早いですよ。』
『分かってる。手負いの獣が一番危険。だったよな。』
まだこの戦いは終わってはいないのだ。
その証拠に俺の目の前ではスケイルワームがビッタンビッタン暴れ狂っている。
ついでに言えばスケイルワームの口から毒ガスもプスプスと漏れている。
俺が殺される心配はないだろうが、とどめを刺すのも一苦労だろうな。
ああなってしまうと、タイミングを見計らって首を刎ねるしかなさそうだな。
俺は再びブルーさんを構えなおす。
そして魔物目掛けて一気に駆け出した。
相手は俺がどこにいるか分かっていない、だから簡単に殺せると思っていたのだが・・・。
俺がスケイルワームに一撃ぶち込もうと接近したその瞬間、野生のカンか、あるいは俺を認識したのか知らないが俺にその巨大な牙を向けてきたのだ。
ヤバい、まさか攻撃してくるとは思わなかった。完全に意識外の一撃、そのせいで反応は少し遅れた。しかしギリギリで躱すことは出来た。
かなり危なかった、いったん状況を整えよう。そう考えいったん後ろに下がる。
そして再びスケイルワームに接近しようとしたのだが、ここで少し異常な事態が起こる。
体がうまく動かせないのだ、詳しく言えば両手足が思い通りに動かせない。
・・・ヤバい、やっちまった。
おそらくさっきの噛み付きのときに口から漏れ出している毒ガスを吸ってしまったのだろう。幸いにも吸った量はあまり多くなかったおかげか動くことは出来るようだ。
だが、この状態で戦うのは少々無理がある、さてどうしたものか・・・。
この状況を打破する方法を考えているが、思いつかない。
だがヒーローは遅れてやってくるものなのだ。そう、あの男が帰ってきた!!
「おい!!ネイ。うまくやってるか・・・、ってどうしたんだ?そんなところで立ち止まって。」
嬉しい誤算だ。
タイタス、今この状況でお前が返ってきたのはとても良いぞ。
「すまん、あいつの出す毒ガスを吸っちまって体がうまく動かせないんだ。だからお前が代わりにトドメを刺してくれ。そこで水から引き上げられた魚のように跳ね回っているそいつにだ。俺がミスらなかったら、お前を危険な目に合わせる必要はなかったんだが・・・、できるか?」
「当たり前だろ、それに本来こいつは俺たちだけで倒さなきゃいけねぇ魔物だ。いちいちお前が気にかける必要はない。あとは俺に任せてしっかり休め。」
なかなか嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
とはいえ、あの魔物について簡単に説明したほうがいいかもしれない。
「助かる。そいつの口から黄色い気体が出てるだろ、それが毒ガスだ。そいつを吸い込むと今の俺みたいに体がうまく動かせなくなる。だからそいつを吸い込まないように戦ってくれ。」
「忠告ありがとな。だがよぉ、その毒ガスの話は必要なかったぜ。見ろ!!この筋肉をッ!!この筋肉の詰まった両腕をッ!!その毒ガスとやらを吸い込む前にこのミミズをぶっ潰してやる。しっかり見てろよな!!」
よっぽど筋肉に自信があるらしい、まぁ確かに俺の数倍は筋力はあるんだろうけど。
一通り筋肉の自慢をした後、タイタスは背負っていたハルバードを構える。
その瞬間、タイタスの持つハルバードに”不思議なナニカ”が集まっている、あれは・・・。
「あれが”技”と呼ばれるものです。”技”は生命力と引き換えに放つことができます。当然強力であればあるほど要求される生命力の量も増えますけどね。まぁあなたほどの生命力ならあまり考慮する必要はないでしょう。もっとも、同じ技を連続して出すことは出来ませんけどね。」
ブルーさんが”技”について解説してくれた。
なるほどあれが”技”なのか。
確かに強そうな見た目をしているけど、スケイルワームを一撃で殺せるほどの威力はあるのかね?
「タイタスの筋力は相当です。ですからかなり強力な一撃になるとは思うのですが、それでもかなり微妙なラインかと。」
なるほどな、まぁお手並み拝見と行こうじゃないか。
”技”の準備が整ったのかタイタスは魔物めがけて駆け出した。
タイタスはかなりの巨体なのおだが、それに見合わない軽やかさだった。
そしてハルバードを両手に構える。
その巨大な刃をそのまま魔物の首に叩き付けるのかと思ったのだが・・・。
「おいおいマジか!!」
思わず声が漏れた。
どうやらタイタス、足りない分のエネルギーを高さからもらうつもりらしい。
つまり、ハルバードの長さを生かし棒高跳びの要領で跳躍したのだ。
タイタスの巨体が空を舞う。
そして、雄たけびを響かせながら巨大な刃が魔物の首に振るわれる。
その刃は魔物の首を貫通し地面へと叩きつけられ、大地を揺らす。
大地を揺らすほどの一撃。それを受けたスケイルワームはピクリとも動かなくなった。
束の間の静寂が訪れる。
「・・・やったみたいだぞ、ネイ。」
タイタスが俺に話しかけてきた。
「死んだのか?」
「あぁ、ばっちりだぜ。」
「そうか、ところでその死体はどうするんだ?処理するにもでかすぎないか?」
「確かにな。・・・仕方ねぇ、王国に回収してもらおうか。」
「ん?王国に行くのか?」
「まぁな、さすがにこいつをこの村の住人だけで処理するのは難しいからな。」
「だったら俺と一緒に来ないか?俺も王国に行く用事があるんだ。」
「そりゃあいいな、是非そうさせてほしい。だがその前にここから出ようぜ。あんまりここに長居はしたくない。」
それもそうだな。
こうして俺たちは激戦を終え村へと変えるのだった。
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坑道の中ではたいした問題も起きず、無事村に帰ってくることができた。
やはり外の空気の方が気持ちがいい。
俺はタイタスといったん別れた後、報酬を受け取るために村長の家に来ていた。
「この度は本当にありがとうございました。たいしたおもてなしもできず申し訳ないのですが…。」
「気にしないでください、タダで動いたわけではありませんから。」
「そう言っていただけると助かります。さて、と薬を持ってきますので少々お待ちください。」
村長はそう言った後、家の奥に消えていった。
なるほどね、やたら広いと思っていたが薬の保管庫がくっついていたからなのか。
さて、保管庫から帰ってきた村長の腕の中には大量の薬があった。
さすがにこれ全部を持って帰るのは難しいと思うぞ。
「お待たせしました、こちらが今回の件に関してのお礼です。今の私共にはこれ以上は難しいのですが・・・。」
「いえいえこれで十分ですよ、むしろ少し多いぐらいなんですが・・・。」
気持ちはうれしいが今の俺にはこれ全部を持って行けるほどの余裕はない。
とはいえこの村長の気持ちを無碍にするのも心苦しいので、うまく傷つけないように断りたいところでもあった。
頼むぞ爺さん、俺の気持ちをうまく汲み取ってくれ!!
「ふむ、確かにその通りですね、申し訳ありません。では少し厳選してお渡ししますね。」
よしよし、今の所良い感じに事が動いているぞ。
まぁ、少々多くても途中まではタイタスに持たせたられる。
出来ればやりたくはないが・・・。
「・・・できました、これでどうでしょう。」
ふむ、あんまり減ってないな。
しかし持てないこともない、ギリギリの量だ。
まぁタイタスに持たせれば全部解決するのだが。
「少々多い気もしますが、タイタスに持たせるので問題ありません。これでお願いします。」
「わかりました。ところでタイタスに持たせるというのは・・・。」
「えぇっとですね、鉱山で魔物を倒したところまではよかったのですが、この村の住人だけで処理するのは難しいということでタイタスが王国に援助を求めるらしく、私もちょうど王国に行くのでせっかくだから同行してもらおうかなって考えていまして・・・。ダメですか?」
「いえいえ、むしろタイタスのほうが感謝しなければいけません。それよりも貴方様さえよければ王国を出た後もタイタスを同行させたいのですが・・・。」
予想外、これは嬉しい申し出だ。タイタスの実力はさっきの一件で思い知った、きっとこれからの旅の上で非常に頼りになる存在だと思う。
だけどそれはこの村においても同じなはず。
タイタスほどの実力者を手放してしまうと、この村に危険が迫ったときに対処できないのではないだろうか。
「俺としてはその申し出は非常にありがたいです。ですがこの村の戦力が大幅に削がれてしまって少々危険なのでは?」
戦える戦力も少ないって言ってたし危険なのではないだろうか、そう思っての確認だった。
「それに関しては問題ありません。そもそもタイタスはこの村にとって過剰な戦力なのです、それに彼をこの村だけに閉じ込めておくのは非常にもったいない。タイタスは私たちの村で一番強く、強くなりたいという意欲が一番強い男です。ですからこんなちっぽけな村じゃなく、果てなき世界を見せてやりたいのです。」
なるほどね、理解できた。
過剰な戦力か。そっか、普通はあんな強力な魔物は出没しないもんな。ゴブリン一匹にタイタスをぶつけても過剰なだけだ。
ちなみになぜあんな強力な魔物が出没したのか、ブルーさん曰く大体魔王のせいらしい。
なんでも魔王は魔物を狂わせる力が非常に強力らしく、魔王の影響を受けた魔物は狂暴化したり本来いないはずの地域に出没したりするらしい。
しかも、魔王本人の意識に関係なくばらまかれるらしい。
迷惑な話だ。だが影響を受けやすい個体と受けにくい個体に分かれているとのこと、不幸中の幸いってやつかな。
そういえば、俺は村長に対して一言も旅をしているとは言っていない、さらに言えば世界を回るなんて言漏らしてないはず。
なんでわかったんだろう?
「そういうことでしたら、その申し出を受けさせていただきます。それはそうと一つだけ気になることがあるのですが、なんで俺が旅をしているってわかったんですか?一言も話してないと思うのですが・・・。」
俺が村長にそう問いかけると、村長は「たいした理由はありません」と前置きして答えてくれた。
「旅をしている。というよりも冒険者であると考えたからです。そもそもわざわざこんな辺境の地にやってくる旅人はいませんし、この近辺にやってくる村人もそうそういませんからね。よっぽどの物好き、或いは世界を見て回る冒険者なのではないかと考えたわけです。・・・さて、それでは食料とお金を持ってきます。少々お待ちください。」
そう言って再び村長は保管庫のほうへと消えていった。
しかしこの報酬を受け取ったらこの村ともお別れか、そう考えると少し悲しい気持ちもある。
『それに関しては慣れていくしかありません、これから世界各地を回ることになります、その分の出会いと別れがあるでしょう。ただ報酬を受け取ってこの村から去る前にアビリティボードを使わせていただきましょう。どこにあるかは知りませんがないってことはないはずです。』
心が沈みかけていた俺にブルーさんが話しかけてきた。
まぁ、冒険が終わったらまたここに帰ってきてもいいかもしれない。
しかしアビリティボードねぇ、本当にあるのかしら。
いろいろ考えていると奥から村長が帰ってきた。
「お待たせしました。こちらが保存食とイーナウド硬貨です。」
そう言って村長が見せてくれたのは大量の干し肉、そして硬貨十二枚。
ところでイーナウドってなんだ?硬貨の名前にくっついているってことはどこかの地名なのか?
『イーナウドは北方にある魔王が支配する国のことです。』
俺の疑問にブルーさんが答えてくれた。
ただ一つだけ聞き逃せないことがある、イーナウドは魔王が支配する土地。
だがしかし人間たちの間でイーナウド硬貨が使われている。
つまり魔王と人間たちの間で交流が行われているってことなのか?
俺はブルーさんにそう質問を投げかける。
その質問に対して、「その通りです。」とブルーさんが答えてくれた。
しかしそうなると魔王を殺してしまうと色々と不味いのでは?
「殺すか殺さないかに関しては現地についてから考えます。実物を見てみない限りは策も思いつきませんから。ただし魔王が完全に開花してしまえば、もはや殺し合いしかありません。開花までの猶予はそれなりにあるのかもしれませんが、策を立てるための時間はなるべく長い方が良い。だからあなたにはいつも急げと言っているのです。」
「・・・なぁ、魔王って何なんだ?詳しく聞いたことがない気がするんだよな。」
ブルーさんの話を聞く限りだと魔王という存在が何なのか全くわからない。
世界を滅ぼさんとする脅威だとずっと思っていたのだが、殺す殺さないの選択ができるのならどうも違う気がする。
「そうでしたっけ?それじゃ簡単に説明しますけど、そもそも魔王というのは特定の個人を指す言葉ではありません。世界を滅ぼそうとする意志のことです。で、魔王も勇者と同じように”開花”という手段を踏む必要があります。勇者の場合は幾多の経験が開花への糧となりますが、魔王は時間さえ立てば勝手に開花が行われます。この開花が行われると世界を滅ぼす意思、”魔王”が宿主を支配してしまい、手の施しようがなくなります。今は魔王の宿主は温厚な支配者かもしれませんが、時がたつにつれ狂暴な破壊者になってしまうというわけです。」
なるほど、つまり勇者の素質と同じようなものなのか。
自分の意志に関係なく無作為に配られてしまっている、ただし勇者の素質とは異なり宿主を滅ぼす可能性があるってわけか。
・・・まぁ、今はこれ以上考える必要もないだろう。
後々考えたので間に合うはずだし、考えたところで良い成果は得られないだろう。今すべきことはアビリティボードの有無の確認だ。
「ありがとうございます、ところでこの村にアビリティボードってありますか?可能でしたら使用させていただきたいのですが・・・。」
「勿論構いませんよ、アビリティボードは村の広場にあります。案内しますので付いて来て下さい。」
そう言って村長は立ち上がり家を出て行った。
ホントにどこでもあるんだな。
色々驚きながらも、遅れないように村長の後をついていくのであった。
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俺は村長に連れられてアビリティボードの前まで来ていた。
見たところただの石板だ、不思議な部分も見当たらない。
「さぁ、その石板の上に手をのせてください。私は少しタイタスと話してきますので。」
そう言って村長は俺から離れていった。
村長の言われたとおりに石板の上に手をのせる。
すると、石板は幻想的な青い光を出しながら、文字を描き出した。
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名前 ネイ
職業 剣士(勇者の種)
称号 勇者の種を宿す者
技能 基本技能...剣術 下級Lv6(MaxLv10)
→燕返し、薙ぎ払い、袈裟斬り
対魔物術 下級Lv10(Max)
→魔物特攻属性付与(極小)、魔物特攻属性付与(小)
中級Lv5 (MaxLv20)
→魔物特攻属性付与(中)
職業技能 主技能...流動の剣型Lv13(MaxLv100)
→脚力増加(極小)、脚力増加(小)
副技能...流動の剣技Lv13(MaxLv100)
→霞斬り、カウンター
聖剣技Lv46 (MaxLvなし)
→念話、視覚共有、記憶探査、地形把握、身体強化魔法、精神操作、以心伝心
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何の変哲もない石板だったのだが、まさかこんな秘密が隠されていたとは・・・。
描かれた文字、どうやらこれが俺の持つ力らしい。
世間的にみて強いのか弱いのかはわからないけどな。
まぁそんなことよりずっと気になることがある、この聖剣技とやらだ。
念話だとか視覚共有だとか書いてあるからこの情報はブルーさんのものではないだろうか。
『・・・おそらくそれで正解だと思います。しかし聖剣ですか・・・。』
『やっぱり思い出せないか?』
『何度も言いますが忘れてるのではなく分からないのですよ。意味のない文字が並んでいるのです。』
あっそうですか、そういえばそんなことも言ってましたね。
違いは分からないけど。
まぁブルーさんが知らないものが俺に分かるはずもない。
色々ブルーさんと話しているうちに、タイタスの家に行っていた村長が返ってきた。
「村長さんありがとうございました。」
「おやおや、もういいのですか?」
「はい、それに・・・。」
「おーいッ!!ネイ!!こっちは準備できたぞ!!」
タイタスがこっちにやってきているからな。
どうも思っていたよりも早かったらしく、村長がタイタスと話し込んでいる。
「タイタス、準備はしっかりできたのか?」
「当然だろ、爺さん。探検道具に食料に・・・、その他諸々しっかりと準備してきたぜ!!」
「そうか、なら良い。ネイ殿に迷惑はかけぬようにな。」
「わかってるよ、それじゃな。」
タイタスは村長に別れを告げる、ぶっきらぼうな言い方だが本当の気持ちは分からない。
村長はタイタスとの話が終わった後、俺に話しかけてきた。
「ネイ殿、どうかタイタスのことをよろしくお願いします。」
・・・最後まで村人思いのじいさんだったな。
俺も見習わないといけない。
「はい、お任せください。」
最後の言葉は短かったが、この言葉だけで十分だと思う。
こうして俺たちは、たくさんの村人に見送られながら村を去ったのだった。
村での騒動はこれで完結です。
第二章は残り3話、もしくは4話だと思います。
この表現が分かりにくかった!!この表現はこう変えた方が良い!!などありましたら、感想へ。
もちろん、面白かった!!とか、面白くなかった!!といった感想もお待ちしています。
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約100話後に尽きる催促のレパートリー。