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とある勇者の冒険譚  作者: azl
第六章 帝国での復讐劇
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パレード前日7

いっちょ前にスランプでした、あまり長くないです。

 ふかふかの革製ソファに白亜の彫刻、そして光を反射して美しく煌めく金銀財宝。俺たち二人は巡回の下見を終えて、その報告のためにミシェルさんの部屋を訪れていた。

 ちなみにあの後北東ブロックの下見もしたのだが別段特筆すべきことはなかったので、一応一安心である。


「さてと、まずはアジト摘発に対する礼を言わねばならんな。大儀であったぞ」


 ミシェルさんの声が部屋に響く。然程大きな声ではなかったのだが、恐ろしいほど明瞭に響き渡っていた。


「アジトの連中については取り調べ中だ、ただ・・・」

「何ですか?はっきり言ってもらって構いません」


 ミシェルさんに追随するようにベルティエさんも口を開いた。だけどどうも言い淀んでいる様子だったので、アンリさんが訝しげにそう尋ねる。

 そしてそれを聞いたベルティエさん、別段隠すことでもなかったのかすんなり口を開いた。


「えっとな、あいつらジョミニなんて男は知らないって言ってるんだよ」

「知らない?尋問官の魔法は使ったのですか?」

「あぁ、使ってみたさ。その結果がこれなんだよ」


 尋問官の魔法ってのは多分”強制独白”のことだろう、その名の通り相手が隠していることを無理やり吐き出させる魔法である。ただし対象が忘れていることを吐き出させるのは不可能らしい。


「では本当に知らないのでしょうね。仮にジョミニの配下だったとしたら、忘れているとは考え難い」

「そうなんだよ、だから多分ジョミニとは関係ない組織なんじゃないかな」

「そうですか・・・」

「ま、悲観することでもないだろうさ。少なくとも裏組織を一つ潰せたんだから大きな収穫だろうぜ」


 そう言ってベルティエさんがその話を打ち切った。


「では明日の建国祭パレードに関して、お主らからの提案はあるかの?」

「はい、路地裏を封鎖しようかと」


 ミシェルさんの質問に、アンリさんが怖気ることなくそう答える。


「ふむん、確かにそれが良いかもしれんの」

「ですね、裏組織の話もありますから」

「・・・よし、では後で伝えておいてくれ」

「畏まりました」


 おっと、思ったよりすんなり。ごねられるかと思ったが実際はそんなことはなかった。やはり民から好まれるだけのことはあるのかもしれない。


「後は橋の下の警戒をしておきましょうか」

「あぁ、あの空間だね。それも伝えておくよ」


 流石は団長である、恐ろしく理解が早い。


「私からは以上となります」

「分かった、明日もよろしく頼むぞ」

「お任せを」


 そう言ってアンリさんが頭を下げた。一応はこれにて会議は終了である。


「当日、ネイさんは私と一緒の行動となります。指示はその都度出しますので、よろしくお願いします」

「分かりました」


 ビョルケスに居ればどこからでも聞こえてくる人々の喧騒、これをぶち壊させるわけにはいかない、そう思った。

次回ちょっとしたお話を挟んで建国祭パレードです。ほとんど何も決まっていませんが何とかします。

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