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とある勇者の冒険譚  作者: azl
第五章 雪原地帯での謀略
39/69

不死者との闘い3

最近進展がありません。

「チッ!!少々面倒になったな・・・」


 木の枝の上で舌打ちをするラス。

 彼が見たのは、森林を我が物顔で闊歩する巨大な牛であった。


 ただしその皮膚は腐れ落ちており、周囲にドギツい腐臭をまき散らしていた。


不死牛(アンデット・カウ)、まさか実在したとは・・・」


 ファウスノーの伝承に語られる存在、不死牛。


 かつてその強大な力をもって、ファウスノーの大地に破壊の限りをもたらした破壊の権化。

 だがしかし、同時に再生の象徴でもある。


 彼がとある戦士によって打ち滅ぼされた際、その体はファウスノーの大地の糧となり、枯れた大地は再び緑生い茂る楽園となったのだ。


 そんな伝承は代々語り継がれ、ファウスノーの人々は、不死牛を恐れながらも敬ってもいた。

 もっともその伝承を本心から信じていたのは、カメテの長ぐらいだったのだが。


「いったん足止めしておきましょうか」


 大地を揺らしながら歩みを続ける不死牛。

 進行方向的にもその目的地が、カメテ集落なのは明らかだった。


 仮にこれを野放しにしておこうものなら、カメテ集落の滅亡は避けられないだろう。

 今しがたカメテ集落の戦力は、不死者の群れを止めることに総力をかけていた。


 不死牛がその現場に到着してしまえば、一瞬にして戦線は崩壊するだろう。それこそ全滅の可能性も十二分にあるのだ。


 故にラスは迅速に行動を開始する。

 幸いなことに、ここは大森林の中、壁になる者ならいくらでもあるのだ。


 ラスは樹木を起点とする大量の糸を放出し、不死牛の体にまとわりつかせた。

 ギチギチと嫌な音を立てる樹木、だがしかしその効果はばっちりであった。

 

 不死牛の動きが止まったのである。


「ふむ、思ったよりもあっさり止まったな」


 動きを止めてくれたなら、今のうちに攻撃を仕掛ける。

 そう考えたラスだったが、不死牛の体からプスプスと煙が上がっているのが見えた。


 そのことに不安を覚えたラスは、急いでその場から離脱する。


 そしてその瞬間、不死牛の体から黄緑色のガスが噴出された。


「なるほど、これは厄介だ」


 噴出されたガスは、周囲の木々を腐らせ、次々と不死者に変えていく。

 その不死者の正体は、人の形を模した木偶人形。

 だがその戦闘能力は一般的な不死者とほぼ互角だろう。


「やることが多いな・・・」


 若干の危機感を覚えつつ、自分の役割のため動き出したラス。

 その戦いは今始まった。



「なるほど、こいつがラスの言ってた不死者か」


 ラスが戦い始めた一方、カメテ集落付近の戦いは、新たな局面を迎えていた。

 散らばる肉塊、不死者の群れの大半はラスの張った罠によって、サイコロ上に切断されている。


 だがその一部、獣人をもとにして作られた不死者たちには、その罠が通用しなかった。

 もともとに刻まれている野生の勘ゆえか、その罠をジャンプして飛び越え、接近してきたのである。


「お前ら、気ぃ抜くんじゃねぇぞ!!」


「「「応っ!!」」」


 ラズリの発破に答えた集落の戦士たち。

 しかしその武器は鍬や鎌など、万全とは言えない。

 だがそれでも、集落を守るために立ち上がったのである。


「元気があるのはいいことだが、二人一組で戦った方が良いかもな。武器がそれじゃあ不安だぞ」


 だがそんな中、一足先に不死者と戦っていたタイタスが、そんな提案をする。

 それを飲み込んだラズリは、戦士たちに命令を下した。


「タイタスの言うように二人一組で戦えッ!!絶対死ぬんじゃねぇぞ!!」

多分あと五回でこの章は終了です。

書いてませんが。

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