ガラクタの山
「さてと、何かめぼしいものはあったかの?」
案内されたカメテ集落の倉庫の中は、ガラクタと保存食で満ち溢れていた。
保存食はまだ理解できるのだが・・・。
「なぁ、この歯車はなんだ?」
「おお、それは雪崩の跡から発見されたものじゃな。使い道は分からんが一応保管しておる」
ガラクタのほうは擁護できまい。
使い道があるならまだしも、ただ捨てるのがもったいないから保存しているだけらしい。
「そうですか・・・」
「うむ、して、ほしいものは決まったかの?」
「そうですねぇ」
思った以上にガラクタしかないせいで、かなり時間をかけてしまっている。
長からすればどれも貴重品なのかもしれないが、俺たちから見てみると、ただのごみの山でしかなかった。
『あ、ネイ!!あれ、あれにしましょう!!』
『あれってどれだよ?』
以前聞いたことがあるようなフレーズで、そんなことを言ってくるブルーさん。
指示を聞き、言われた通りにガラクタの山をかけ分ける。
「よいしょ!!・・・これは、ブーツか?」
やっとこさ掘り出したのは、黒色のブーツ。
もしやこれも・・・。
『七つの神器の一種です』
やっぱりそうか。
お前のことだからそんなところだろうと思っていたよ。
「これをもらっていきます」
「む、それでよいのかい?もっといいのがあると思うのじゃが・・・」
「いえ、これでいいです」
はっきり言ってほかの物はゴミだからな。
「分かったわい。今回は先払いじゃ、もっていけ」
「いいんですか?」
「構わん。道具は使ってなんぼじゃからの、むしろ倉庫を整理できてせいせいするわい」
そういってにやりと笑う長。
ヨボヨボ爺さんのはずなのに、大人の魅力というのを垣間見た気がする。
「じゃあ遠慮なくもらっていきます。それじゃあ僕らはこれで」
「おう、気を付けてな」
「はい、それではまた後日」
会釈した後、ラスと一緒に門をくぐる。
一体何が待っていることやら。