朦朧
朝が来るまで数字と向き合い、無地の夜空に明かりを灯し、朝焼けなのか夜明けなのか、どちらとも言えないような風景、何とも言えない憧憬、眺めて過ぎる街灯が愛憎歪めて、ふらっふらの上っ面も剥がれ落ちて、走馬灯もいつか見た光景、都市行く情景、それを切りつけて歩く少年、情念を朝日の燃料にする少女、情緒のカケラもないアスファルト道路に独りぽつり佇む私、本音を垂らし、気力を枯らし、詩は書きたいが、字を書けないな、火も焚けないな、身も焼けないな、「名無しの詩書き」と自ら言うが、「私」と私は自ら呼んで、止まらぬ空想、妄想、想像、燃焼、朦朧。