入れ墨って痛くないのか気になるけど聞けない
靴ひもが切れた。
良くないことが起きそうだが…
パソコンのルーターが壊れて、スマホの調子が悪くなり
転んで全治2週間の傷が出来た後であり、今更である。
俺の名は龍宮寺 ハルサメ。
この辺りを収めている権力者だ。
表の仕事としては、人材派遣の社長をしている。
そして裏の仕事は人様にあまり言えたもんでないがこちらの方が稼ぎがいい。
最近、急成長をしてテリトリーを伸ばしている同業者が現れた。
綺麗に表現すると俗に言うライバル企業だ。
そしてそのライバル企業にはめられて孫が一人捕まってしまった。
俺には子どもが多くいて、認知していないのも含めなくても2桁はいる。
そのため、孫はさらに多く把握していないやつもいる。
正直、捕まった孫は血のつながりはあるが、あまり覚えていないし出来も良くなかったと記憶している。
前にも問題を起こして勘当したやつだ。
捕まったところで助ける気はない。
しかし、捕まった経緯が気になる。
あいつがいた組織が近ごろ活発になった「能力者狩り」という組織だ。
あそこはそんな商売をするような組織ではなく、能力者にうらみを持ったものの集まりぐらいだったはずだ。
少しばかりスパイを送り調査しよう。
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まさか、あっさり入れて情報が入るとは思わなかったな…。
潜入も緩く所属のものも把握されておらず、簡単に侵入でき、機密情報も上司が酒に酔えば愚痴のように呟き、裏取りも簡単にできるもので本当に合ってるか疑ってしまったほどだった。
ボスがいるらしいが実際何もしておらず、放置状態らしく、そもそもいるのかさえ不明なレベル
何人かのものが勝手に派閥を作り勝手にやっている状態だ。
ボスの言葉と言えば何でも通ってしまい、ボス不在の為に確認のしようがない。
もう不法地帯だな…しかもスパイが他にも何人にもいるガバガバっぷりだ。
これは、もうこの組織は泥船だな。
ここで面白い人物を発見した。
その名を黒犬テツ。
一時期に最年少能力者として話題になった子どもで、最近は話を聞かない子どもだ。
現在は運び屋みたいなことをさせられている。
気になって情報を集めると面白いことがわかった。
黒犬テツは有名な能力者夫婦の子どもは前から知っていたが、
その父親の兄がいてそいつがノーマルで嫉妬でこんなところにやられるとは、運がない。
どんなに才能があっても、努力しても運がなくては意味がない。
だが、こいつは悪運がいい。
俺からみて優秀なら恩を売ってもいいだろう。
本当はそんなことしなくても助かるだろうが、優秀な人員ならば唾をつけておきたい。
スパイやコネを使い実際に黒犬テツを試してみた。
まずは突然の依頼で間に合わない時間設定でこいつの様子をみてみた。
すると驚くことに時間通りに来た。
どうやら能力を使えばこれくらい問題ないとのこと。
本当は全力の速さをみるため技とギリギリ間に合わない時間にしたのだが、
思っていた以上に優秀だった。
他にも地図を古いものに変えたりや鞄の中身をやたら重くしたり、ワザと組織の金を持ち逃げしたという芝居で逃げた者を追うように演出したりした。
俺はこれらの結果から、恩を売る価値はあると踏んだ。
まず勤務態度は、真面目であり、言われたことは守る。単純だが、大事なことだ。先の段階は後から教えればいい。
次に言葉遣いは、ある程度ができている。こんな仕事をしていると言葉が悪いものが多い、さらに能力者だと自身過剰なものも多く、貴重な人員だ。
そして最後に将来性は、攻撃系の能力ではないが、武術には心得があり、その辺のチンピラが束になっても敵わないだろう。能力の使い方も色々と考えていることから将来性はある方だとみていいだろう。
だが、実際に会ってみてこそわかることがある。
裏切りものを捕まえたという建前で屋敷に呼んでみた。
どうやらかなり警戒されているようだ。
だがここで腹芸が出来れば合格だが、年齢のこと考えればいい反応だろう。
それから、圧を掛けたらあっさり現状をゲロった。
まぁ、子どもであることもあるがこの子自身もさっさと喋ったろうという態度がみて取れたので、あまり参考にならない。
あまり収穫はなかったが、優秀な人員になるのは確かであろう。
未来の投資として、もう少し信用されてから、うちでほとぼりが冷めるまで匿ってやってもいいだろう。
さらに集めた情報からもうあの組織は長くない…いやもうすぐ終わるだろう。
そんなことを考えていると若手のもんが息を切らせて走ってきた。
「親父!大変だ!青兵のやつが現れた!」
青兵、最近向こうさんが雇った変人殺人鬼だ。
プロの殺し屋みたいな計画性や鮮やかさはないが、ただ強い。
辺りの縄張りの組織もこいつにやられて潰れたところも少なくない。
実際にうちのところも何人かやられ、強く出れないでいる。
対抗するカードがあるが、その後漁夫の利を取られる可能性があるので、周囲に牽制しながらがこの辺の縄張りの現状だ。
「青兵のやつがどこの組織を狙ったんだ。隣の青山のところかそれとも反対側のツォーリのところか」
青兵は強いやつだが、気分屋であり強いやつとなら喜んで戦うがそれ以外だとさぼったりする。
今、うちのところの戦闘部隊はいないことを考えると青兵が狙いたがる戦闘力があるやつはそこの2つしか思い浮かばない。
「いえ、どちらでもなく…ここのようです!」
「!?」
馬鹿な!?ここを狙っても青兵が喜ぶことなんてないぞ!?
数で抑えれば何とかなるが、被害が尋常な数になってしまう!
「それを早く言わんか!アホんだれが!
すぐさま、武器を持って警戒に当たれ!」
「待ってください!親父!青兵の襲撃はもう終わりました!」
「何!?もっと詳しく説明しろ!」
「へい!どうやらついさっきまで招いていたあの少年をうちの新参者と勘違いして襲ったようです」
あぁ、なるほど最近はうちに頻回に来ていたし、今日は宴にも参加したからうちの所属のものと勘違いしたのか。
せっかく久しぶりの当たりだったのにおしいことをした。
「で、その子どもはどうした?」
「いえ、それが…死んでるのかわからない状態です」
「おいおい!青兵に襲われたんだろ、死んで当たり前だろうが」
青兵は「操血」と呼ばれる能力を持っている。
血を自在に操ることが出来、刀で切った傷口から大量の血液を流血させることができる。
なので、遠目でも生きてるか死んでるかすぐにわかるほどだ。
もっとも、やつ相手に生き延びた相手はほとんどいない。
「どうやら、川に逃げ込んでその後はわからないそうです」
「お前なぁ、川に逃げ込むのを許すような性格じゃないだろ青兵のやつはよう。
楽しかったら殺す、つまらなかったらもっと殺すようなやつだぞ」
実際に青兵は子どもだろうと女だろうか関係なく殺す殺人鬼だ。
「いえ…どうやら、青兵も負傷していたようで追いかけることが出来なかったようです」
俺は開いた口が塞がらなかった。
青兵が負傷して逃がした!?子ども相手に!?
俺はもっと詳しい情報が欲しかった。
「表に車を出せ!すぐに現場にいくぞ!」
場所は車で10分程度のところだった。
もう警察が来ていて現場剣所をしている。
「親父、辺り血まみれですね…。やっぱりあのガキ死んでしまったですかね」
こいつ何を言ってるんだか。
「アホが。微かだが銃を撃った場所に血だまりがあるだろ。青兵は刃物しか使わない変人だ。
周囲の飛び散っているのは、銃で撃たれた青兵の血だろ
そして川に続いている血がお前の話通りなら子どもの血だろ」
「親父、それでも川に続いている血ってそれでもかなりの量ありますよ」
「普通なら危険だが、あの子どもは能力者だぞ。あれくらいなら生きてない方がおかしい。
戻ってすぐさま、組員全員で捜索だ!わかったら戻るぞ!」
「へい!」
当たりとは思っていたが、まさかここまでとはな。
この人員をただ雇うだけは、おしい。他のところに取られてしまう。
そうだ、孫の誰かとくっつけるか…。歳の近いあいつでいいだろう…。
性格に難があるが、器量はいい。傷物にさせて責任を取らせるのもありだな。
絶対に逃がさんぞ…黒犬テツ。
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SIDE ???
「体温35.4℃ 脈拍62回/分 血圧108/60㎜Hg SPO2 96%
だいぶ良くなったわね」
少年の意識は回復はしていなが、回復に向かっている。
私はそのことにほっとしたが、悩んでいることがある。
「はぁ、どうしましょう…」
少年が血まみれで川岸で倒れているのを発見して、家まで運んで治療した。
本当なら病院や警察に行くべきだが、私は行きたくなかった。
本当にピンチなら行くが、私だけでも何とかなったので行かなかった。
「少年が元気になったら一人で出て行って何とかしてもらうか…」
私はいつも通り、問題を先送りにした。
戦国ゲームで、織田よりも武田より龍宮寺が一番厄介だった。
ほっといたら、あの島津を含め九州が龍宮寺に全滅されてた。
あと、新ヒロイン投下だ!これ一応ハーレム狙っているから…。
男性キャラの方が多いけど…。