波乱万丈な人生は第三者目線ぐらいがちょうどいい
ここから、夢を掴め中学生編です(笑)
サクラとの戦闘からいろいろあった。
しばらく俺の渾名は「孕ませ男」になった。あの小学生男子が同学年女子を孕ませたという記事とそれをネタにした番組が悪い。
肉壁に妹を紹介する約束を思い出しお願いしたが、「刺されたくなければやめとけ」と言われた。
そろそろ卒業し中学生になるから、卒業前に一目見たかったが残念だ。
評価に対してはあまり変わらない。公式戦でもないことと、不意打ちで勝ったという評価である。
能力はあれから成長した。ものを動かす力も上がってきた。
少しであるが、上に念じて浮くことができるようになった。
しかし、いや予想通りなのかサクラには勝てなくなってきた。
俺が成長すればサクラもまた成長している。
サクラの足の速さは上がっていき、腕も上がっている。
今の状態であの試合をしたら、一瞬で風船を3つ割られて終わってしまうだろう。
日々の暮らしにも変化があった。
「テツくん、あーん」
「サクラ、自分の給食は自分で食べなさい」
サクラとの距離が前より近くなった。
「サクラ、そこは山田さんの席だったはずだが…」
「そんなことどうでもいいじゃないですか。じゃあ、私がテツくんの給食をテツくんに食べさせてあげるから、テツくんは私の給食を私に食べさせるのはどうでしょうか。いいアイディアでしょう」
サクラはまるで最高の答えにたどり着いたかのような無邪気な笑顔でこっちをみる。
周りの視線が痛い。このやり取りは最近よくみる光景である。
「仕方ないな、ほらあーん」
「あーん」
周りの視線が痛い?それがどうした?モテ期は最大限利用するのが俺の生き様だ。
前世の分も今、取り戻す。
「テツくん机をくっつけて勉強しましょう」
「テツくん一緒に掃除しましょう」
「テツくん帰りは一緒に帰りましょう」
「テツくん一緒に宿題をやりましょう」
「テツくん一緒に柔軟体操しましょう」
「テツくん一緒に稽古しましょう」
「テツくん一緒に着替えましょうか」
「テツくん一緒にお風呂入りましょうか」
「テツくん一緒に…」
うん、距離は近くなってる(メソラシ
流石にまだ「孕ませ男」にはなっていない。
さて、ここまでは回想シーンである。
あれから、俺は卒業し、春休みを迎えた。
そして、現在…
「おら、能力者が調子乗ってるんじゃねぇぞ」 バシッ
「てめぇ、ガキだからって偉そうなんだよ」 ゴンッ
「ざまー、次からは大人しくしてるんだな」 ペッ
何人もの人に殴られ蹴られの暴力を受ける毎日である。
流石に何人にもタコ殴りにされるとかなり痛い。
「くっ」
「お前らのような能力者は飯を食べる時は『能力者に産まれてごめんなさい』っていいながら食いな」
「能力者ごときに白米なんてもったいない、虫でも食ってろ」
「サービスだ、これも食え。おえーーーーー」
飯にゴキブリや嘔吐物を入れられるのもよくあることである。
(こいつらいつか殺す)
現在、俺は能力者狩りと呼ばれる集団に売り飛ばされており、ピンチである。
よっしゃー!沖田オルタキターーーーーー!!