男の格言はかっこいいが縛りが多い
熱中症は塩分と水分が大事
身をもって知った
試合当日
開会の肉壁の父親の長いあいさつ、軽いパレードに次が剣道の試合だ。
試合は俺とサクラ以外にも試合はあり、俺とサクラの試合は最後の方である。
現在、次の試合に控えて俺は肉壁と最終の確認をしていた。
「まず、サクラは俺の能力が速くなる能力と思っている。
だから、その考えの意表を突くでいいんだよな?」
「ああ、俺の本当の能力は俺とお前とお前の父親しか知らないはずだ」
俺の本当の能力…サイコキネシスの亜種に近いもので、見えない矢印みたいなもので指定したものに力を加え動かす力である。俺はこの能力を『移動』と名付けた。
以前まで速くなる能力と思い、自分に前に向けて無意識に能力を使っていた。
「後はサクラが驚いている間にスーパーボールで足を封じつつ、残りの風船を割る…」
「うまくいくのか…それ?」
「駄目なら、最終作戦の『効くかは賭けのじわじわ作戦』だな…」
「まるで、毒を使うみたいだな…まあ、そこまで違わないが…」
「そろそろ時間だ…いってくる」
「わんこ!」
「なんだ?」
「『人』という字は、人は誰かに支えられてこそという意味だ」
何言ってんだこいつ?感謝しろということか?
「ああ、お前には感謝しているよ」
「違う、そうじゃない…はぁ」
こいつ、『お前鈍いなぁ』みたいな顔してため息つきあがって、
肉壁のくせに生意気な。
「わんこ…そういえばなんでここまで全力で戦うんだ?」
「俺が目立ち!スカウトを頂くためだ!」
「それ、建前だろ、本音は?」
「サクラは今、才能と能力だけで勝ってる状態なんだ。
今の状態が続けばサクラは腐っていくだろう、そして腐らせるのは俺だ。
サクラの成長スピードを考えると、俺がサクラに勝てるのはたぶん今が最後だと思う。
だからサクラのためにも負けられないんだよ。それに…」
「それに?」
「女に負けて終わるのは男として格好がつかないだろ」
「ははは!!わんこらしいな!!
勝ったら妹でも紹介しようか」
「肉壁の妹って小学生で巨乳じゃん!
余計に負けられないないな」
「分かったら、とっとと行ってこい!」
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会場に入ると客席いっぱいの人がいた。地域の人だけでなく、遠方のひと、つわものも来ている。
「只今より、武蔵川サクラ対黒犬テツの試合を始めます。
実況は私、肉丸と」
「解説の武蔵川でお送りします」
実況が肉壁の親族で解説がサクラの父親という知り合いの放送から始まる。
そして、覇気のようなものを纏ったサクラが入場してきた。
「今日の瞬殺姫は気合いが入ってるな!」
「これは、すごい試合が観れるかもな!」
相変わらずサクラの人気は高い。
サクラは周りの声が聞こえないかのように話かけてくる。
「テツくん賭けをしましょうか」
「賭け?何を賭けるんだ?」
「負けたら勝ったほうのいうこと聞くっていうルールですよ」
それはとても都合がいい。
「いいぜ。受けるぜその賭け!」
「男に二言はないですよ」
そこで、審判の掛け声が入る。
「それでは、両者ともに前へ 礼!」
「「お願いします!」」
「試合開始!」




