ヒロイン攻略(ガチ)
ほとんど会話です
デパートの出来事から時間が経ち、試合の日が近づいてきた。
「肉壁…やばい、サクラが何故か練習にガチになってる…
能力なしでも近所の中学生じゃ相手にならないくらい強くなってる…」
「わんこ…おまえ、死んだな…」
「否定できないから笑えねぇよ…」
「で、まだ、勝つ気なんだろ。俺になにか用か?ルールの再確認か?」
「ルールは時間無制限、風船を両肩と胸の3か所を割ったほうが勝ちで、あとは大体同じだろ?」
「ああ、ルールに変更はないぞ」
「『時間無制限』って判定で勝ちに行くことが多い俺に対する対応に殺気を感じるわ」
「瞬殺姫の人気高いからな…で、用は何?」
俺は近所のスーパーで箱買いしたものをみせた。
「こいつの使用を認めてもらいたい。お前の父親が今回のまとめ役だろ?お前の父親の許可があれば使用できるだろ」
「その箱の中身はなんだ?あまりに危険な物は許可が流石に下りんぞ」
俺は自身満々に箱を開けた。
「箱の中身は『スーパーボール』だ」
「スーパーボールなんて何に使うんだ?」
「この間、サクラの能力を使って知ったんだが、サクラの加速は走らないと使えないだよ。
走れないと使えず、走り続けてないと維持もできない。俺はこのスーパーボールをばらまき、サクラの足を封じる」
「理由は分かったが、流石に相手の妨害目的だけでの道具の使用は認められんぞ」
「ああ、わかってる。妨害目的だけなら使えない、だ・け・ならな」
「そいつを使ってもいいと許可できる方法があるのか?」
「試合の道具は能力にあったものなら、大抵のものなら通る。水使いがバケツ持っても通ったし、試合中もバケツで相手の顔を隠して倒してもルール違反にならなかった」
「確かにそんな試合あったな…」
「そう、少しでもいいから能力に絡めば大体受かるはず」
「でも、わんこの能力ってサクラの下位互換だろ?」
「お前…ひどいな…俺もそう思ってたけど…
クックックッ しかし、ご安心あれ!俺の能力はサクラの下位互換にあらず!その正体は!」
「おっ!なんだ!」
「その正体とは!なんと!」
「いい加減にしないと怒るぞ」
「もう少し、もったいぶって言いたいが仕方ない…。
俺の能力は獣化の劣化みたいな能力だっていっただろ?」
「言ってたな、能力が成長したのか?」
「そうじゃない…サクラの能力と比べて分かったんだが、俺の力は念じれば動くことから、
俺の能力はサイコキネシスの亜種みたいな力だったんだ」
「劣化じゃなくて亜種なのか?」
「ものは握れないが、矢印をイメージして念じれば念じたものを動かせた。
前まで自分に対して『前へ』とかしか念じたことがなかったから気がつかなかったが、
自分以外にも人や物にも使えたから、かなり汎用性はある」
「その能力ならスーパーボールは許可が下りるが、別に父さまじゃなくて大丈夫じゃないのか?」
「肉壁…知ってるか、今度の俺とサクラのトトカルチョ倍率…」
「すごい差だったな…」
「基本はみんなサクラに入れるから、トトカルチョの支払い担当の肉壁んとこぐらいしか信用できないだよ…」
「瞬殺姫が勝っちゃうとうちの家は損だからな…俺から父さまに話を通しておくよ」
「おお、ありがとうな」
「試合頑張れよ」
試合は、もう間近だ。
次回は試合です




