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妥協しないこと=せこい は違うけど…

風邪でダウン

後、腕に力が入らない

頭の中がお花畑でも勝利に妥協しない。

体力造り、能力の修行、剣道の練習、サクラの研究に余念はない。


能力についてだが、獣化についてはほぼ諦めた。

もちろん理由がある。前に父親に相談したのだが、


「もしかしたら、テツはハーフの希少パターンかもな」


この世界のハーフというのは、能力者同士の混血児のことを示す。

そして、ハーフにはいくつかのパターンがある。


一つは、能力が発現しない場合

確率は低いがないわけでもない。


次は、片親の能力が発現する場合。

これが一番確率が高い。


そして、希少パターンは2つある。

例を挙げると父親が馬になる能力で、母親が羽が生える能力とする。

子どもが羽の生えた馬であるペガサスになる能力が生まれるケースと

馬と羽とそれぞれ2つの能力が開花する場合である。


父親曰く俺は希少パターンの後者の方ではないかとのこと。

2つ能力がお得のように聞こえるがそうでもない。

能力を普通の人は100%を扱えるのに対して、

俺は2つあるので、50%と50%や30%と70%だったりする。

先に挙げた馬と羽の能力の例で例えると、

馬はロバくらいの性能で、羽は生えるが飛べないみたいな能力になってしまう。


なので、俺の能力も獣化の獣の身体能力が手に入ったが

ハーフなので獣には変身できない。

しかし、母親のサイコキネシスは使えるはず。


最近は、サイコキネシスの練習をしている。

母親曰く、


「最初はなにか掴める感じがするの、でも動かせないわよ。

次に肩とか揉んで感覚を掴んで、最後に軽いものを動かすといいわよ」


そういうとサイコキネシスで豆腐を持ち上げ、サイコキネシスで握り潰した。

すごい真面目な説明に獣化の修行の時に犬耳つけた人と同一人物とは思えなかった。


イメージはついたが、成果はない。

片方の能力が開花してももう一つの能力がすぐ開花するわけでなく、

人によっては、20年後に開花したケースもある。

サクラとの試合までに目覚めるなんて都合のよい展開は期待できない。



サクラの情報収集だが、


「おっす、サクラ。先生なんのようだった?」


「うん、またスカウトの話だったんですよ」


「ふーん、どこ?」


「今回は、天寿院学園」


「へ~すごいじゃん」

(俺の狙ってるところじゃん)


天寿院学園は高校みたいなところでエリート学校で、スカウト者しか入れない難関校である。


「じゃあ、サクラは高校は天寿院学園?」


「うーん、私はテツくんと同じところに行きたいですね」


「何それwww」

(畜生ーーー!!)


「今度の連休に剣道の試合あるの聞いた?」


「聞いたんですけど、相手知らないですよね」


「相手は俺だぞ」


「そうなんですか、よろしくお願いしますね」


「ああ、試合の時は頼むよ」

(よし、やる気は高くない。勝気はある)


「そうだ、テツくん。今度デパートで大道芸の人が来るみたいですよ」


「面白そうだね。一緒に観にいこうか」


「うん、一緒にです。約束ですよ」




サクラと出掛ける。

元天才は姫の顔色を窺う、そして爪は研ぐ。


薬はすごい

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