野郎どもの紹介
風邪ひいた…
この何年かで、俺にもサクラ以外にも知り合いが増えた。
「師匠、指導お願いします」
「いや…武蔵川さんに指導してもらいなよ…」
「おじさんにはいつも教えてもらってるんで
今日は師匠がいいです」
まずは師匠の紹介をする。
師匠とはサクラの武蔵川道場の門下生であり、
時々来る青年である。
口数が少なく何をしているのかはよくわからない。
この人は実はノーマルの人である。
しかし、サクラの神速じみた攻撃もすべて躱せる。
正直、能力者より強い化け物である。
師匠曰く、
「どうして、躱せるかか…
動いたら空気が振動するだろ?
振動を感じたら躱せる」
師匠は説明が下手だ。
俺が師匠としたうのも、
この圧倒的な力を見せつけられてである。
✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖
次に紹介するのがライバルである。
「王手!」
「しまったっ!」
「まだまだ、じゃな」
「もう一局、お願いします」
まあ、将棋のライバルである。
前世で将棋に興味があったが出来ずに終わった。
転生し将棋をやってみたが、
コンピューターと対戦してみて、最弱でも惨敗する。
マジで、飛車が強い。俺の飛車あんなに簡単にとられたのに…。
それで、今対戦している人は幼稚園の園長で
幼稚園の時にお世話になった。
この人は俺と負けずと劣らずの強さである。
要は下手の横好き同士の対戦である。
「じゃあ、次は王を3枚でやろうかの」
「いいですね」
これが割と盛り上がる。
出会いというのも普通で、園長が自室で将棋を指しているのをみて
勝負を挑んだのが始まりである。
初めは
「儂の孫はプロの棋士じゃぞ、
その孫に将棋を教えたのが儂じゃ」
と、偉そうにいってが指してみてわかったがたいして強くなく、
俺の将棋の相手にちょうどいい相手である。
それ以来、将棋仲間である。
よく、サクラに遊んでと駄々をこねられたのが懐かしい。
暇な時には幼稚園のお手伝い(ボランティア)もついでにしている。
保育士さんは子どもと触れ合える明るいイメージがあるが、
実はブラックな職場だ。
まず、給料が安く、仕事もかなり肉体的にも精神的にもきつい、
園児に何かあれば責任問題になる。
本当に大変な仕事だと思う。
その為、園のボランティアも積極的にやっているのだが、
園の職員さん方には園長の将棋仲間という扱いで接しられる。
前に他のことほったらかして3時間近く指していたのが悪いのだが…げせぬ。
✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖ ✖
最後に紹介するのが、悪友である。
「おい、わんこ!」
「なんだ、肉壁」
「俺は肉丸だ!」
俺のことをわんこと呼ぶ金髪デブは、肉丸 ミース。
ニックネームは肉壁 ミートだ。
俺のことをわんこと呼ぶのはこいつだけだが、
こいつを肉壁と呼ぶのはそれなりにいる。
こいつは能力者であり、家もかなり裕福である。
能力は自分の体格(主に脂肪)を大きくするもので、要は肉壁。
前にサクラに勝負を吹っ掛けたが、
「俺の肉体では、お前の攻撃は効かん!(キリッ」
その後顔面をボコボコにされた。
「で、何かようか?」
「ああ、今度の連休に国王様が来日するだろ」
「そうだな、お前の家の手伝いでも募集するのか?」
「近いが違う。剣道の試合をやるのは確定したんだが、
国王様が瞬殺姫の試合がみたいらしく…」
「そういえば、国王様の子どもが同年代だからな…
興味が持たれたんだろ…で、相手は?」
「お前だよ、わんこ」
今日、悪友から死神の宣告を受けた。
やっぱり、うちの職場なんかやばい菌いるな…。




