あの頃は良かった
眠い…
俺、テツは、幼稚園の入園ぐらいからサクラの家である武蔵川道場で、
剣道を習っていた。もちろんサクラも一緒である。
剣道とはいってもこの世界の剣道は、
スポーツチャンバラのようなスポーツである。
能力者とノーマルの人とでは、ルールが違ったりする。
ルールは、
1、相手の体の風船を割ったら勝ち
2、能力の使用は認められる範囲であれあ可
3、選手、審査役、観客などに対しての危険行為の禁止
4、時間制限が越えた場合、審査により決まる
(相手にどれだけ意欲的に行動したかや有効的な行動をとったかなど)
5、検査役の許可が取れたものを使用すること
大雑把にまとめるとこんなものである。
1については、大会などによるが風船は基本は胸や肩につける。
2については、場合により参加できない能力者や能力の制限があったりする。
3と4については、特にいうことはない。
5についてであるが、これが意外と能力者らしいルールである。
例えば手が増える人ならば武器を4本構えたりするし、
炎系なら耐火系の装備、変わった人では糸やカメラなんか使ったりする。
サクラこと武蔵川サクラは能力者である。
能力である加速は速く、開花した時から俺より速かった。
その能力により剣道 (スポーツチャンバラ)では
サクラの武器は刀で神速じみた技で相手を瞬殺することから、
ちまたでは『瞬殺姫』と呼ばれている。
かっこいい二つ名である。
能力を開花したその年で上級生を押しのけ小学生の部で優勝し、
非公式試合であるが中学生にも勝っている。
ちなみにだが、これは女子の部であり
男子の部の優勝は俺である。
剣道であるがこの世界では
実践形式に近いスポーツであることから、
試合で活躍する選手には期待が大きいのである。
その為、剣道はスカウトされる確率が高く、競技人口が多く、
激戦区である。
サクラは優勝者であり、試合もほぼ一方的な試合も多く
様々なところからスカウトがあったりする。
優勝者じゃなくても実力を示したら、
それだけでもスカウトの対象になる。
普通そうなのであるが、男子の部優勝者の俺のスカウトは
いまだにゼロである。
理由はある。
1つ能力である。
俺の能力は速くなるが、神速じみた攻撃なんかできず、
サクラの下位互換という評価である。
2つ試合内容である。
小学生なので、まだまだ未熟なところも多く。
能力使おうとした時にやたらと隙がうまれ、
そこで攻撃して勝つというのがおおまかな勝ち筋である。
いってしまえば、ヒーローの変身シーンで攻撃して倒すようなものである。
倒せなくても、判定で取りに行くなどひどい試合が多い。
3つ道具である。
能力とは別のもう一つの見せ場である。
ノーマルの人が使わない道具で戦う指向性や独創性のある項目の一つであるが、
俺はサクラと同じ刀タイプであり、指向性も独創性もないのである。
大体はこの辺りが理由である。
一部では俺のことを玄人みたいにいってるが、陰で苦労人と呼んでいる。
言い忘れたが、俺にも二つ名がある。
『元天才少年』
今は誰も俺に期待をしていない…
ガチャが渋い…




